ユエン・ウーピン(袁和平)『ドランクモンキー 酔拳』 CGではなく、ホントにクルミを指で割ってます! 個人的なお話で恐縮ですが、私が映画館で記憶にある限りで一番最初に見た外国映画が本作なんですよね。 私の年齢において、ジャッキー・チェンというの…
黒澤明『椿三十郎』 ちょうど、黒澤明がアカデミー賞の名誉賞を受賞し、『七人の侍』がリヴァイヴァル公開してから、東宝が漸次黒澤明の監督作品をVHSでレンタル/販売を開始した時期が高校生の頃で、彼の作品はほとんどレンタルビデオで借りて見ました。 そ…
小津安二郎『大人の見る絵本 生まれてはみたけれど』 ジワジワくるタイトル(笑) 2023年に4Kデジタル修復がなされ、リバイバル公開されたものをようやく見ました。 昔、銀座にあった名画座の並木座で、かなりダメージのあるフィルムでの上映で見たのが最初…
マーティン・スコシージ『グッドフェローズ』 2023年に3時間半を超える大作を発表するなど、未だに創作意欲の衰える事のないスコシージですが、その新作にも通じる、司法取引を行なった人物から見た犯罪組織の全容を描いた作品です。 どちらもデニーロが巨大…
小津安二郎『東京暮色』 主人公の有馬稲子の飲酒、喫煙シーンが小津作品のパブリックイメージを崩します。 既に戦後の自らのスタイルを確立した小津安二郎の一連の作品だと思って見ると、心底痛い目に遭う、戦後屈指の異色作。 『風の中の雌鶏』は、戦後直後…
中島貞夫『893愚連隊』 中島貞夫という監督は知ってはいましたが、東映の職人監督で、深作とともに、実録やくざ映画を量産していた人。というイメージがあって、積極的に見てみようと思わなかったんです。 山下毅雄がサントラを担当しているという事で『現代…
S. クレイグ・ザラー『Brawl in Cell Block 99』 いやはやすごい。すばらしい。そして、ひどいバイオレンス(笑) 彼の作った長編3作はいずれも通奏低音のように緊迫感を漂わせつつ、それは決して高揚していく事がありません。 いずれもかなりのバイオレンス…
森田芳光『そろばんずく』 森田作品の中でも破天荒さではトップクラスです。 『それから』で、なんと、夏目漱石の文学世界にまで突入してしまった直後に発表された、森田芳光の痛快作。 ト社とラ社というライバル関係にある広告代理店の対立を軸に描かれるか…
ジョン・フォード『リバティ・バランスを射った男』 ジェイムズ・スチュアートがジョン・ウェインを殴るという、なかなかにショッキングなシーンです。 ジョン・ウェインが最後にフォード作品に出演した映画として有名ですが、フォードはまたしても西部劇の…
ジョン・フォード『肉弾鬼中隊』 原題の方がいいと思いますが… フォードが初めて作った戦争映画が、ATG級の低予算映画であった。という事実は、今やほとんど知られていないのではないでしょうか。 上映時間も70分に満たない作品であり、登場人物もほぼ分隊の…
ジョン・フォード『捜索者』 ジョン・ウェインが演じた役の中でも最も異様なキャラクターであろう、イーサン。 ジョン・フォードの傑作西部劇にして、恐ろしく歪んだ異形の作品。 ジョン・ウェインが演じるイーサンという男の、アメリカ文学の古典、メルヴィ…
ジョン・フォード『周遊する蒸気船』 前半のオフビート感(ジム・ジャームッシュの出現の遥か前です!)、からの後半のチキチキマシン猛レースへの見事な転換。 しかも、メインテーマは冤罪で逮捕された甥の救出。という、コレだけでは何の事だがわからない…
ジョン・フォード『香も高きケンタッキー』 なんと、馬が主人公のお話しなのです! サイレント期のジョン・フォードを見ている人って、もうあんまりいないと思いますし、そもそも、ジョン・フォードの映画見ている人がいないような気がするのですが、コレは…
ジョン・カーペンター『クリスティーン』 「不死身の自動車」が襲いかかる。というアイディアがとにかく素晴らしいですね! カーペンターという人はとにかくうまいとしかい言いようのない、真のアルチザンですね。 1970-80年代にハイペースに作られた諸作は…
ジョン・フォード『荒野の女たち』 アメリカ映画とは、ジョン・フォードの事なのである。コレほど多くのジャンルを作り上げた映画監督は皆無であろう。 巨人ジョン・フォードが最後に作った映画。 驚きました。 なぜならば、とんでもない傑作であり、かつ、…
テオ・アンゲロプロス『エレニの旅』 時代に翻弄される、エレニとアレクシスのお話しです。 邦題が「そうなのか?そんなに旅してないけど」という気がしますけども、まあ、それはそれとして。 アンゲロプロスが3部作の第1作として発表した作品で、相変わら…
テオ・アンゲロプロス『こうのとり、たちずさんで』 映画製作中に交通事故で惜しくも2012年に亡くなった、テオ・アンゲロプロスの1991年作。 テオ・アンゲロプロス監督。 アンゲロプロスの初期の作品、とりわけ、『旅芸人の記録』、『狩人』、『アレクサンダ…
カール・テオドア・ドライヤー『奇跡』 デンマーク、ひいては映画史に名を残す巨匠の最高傑作。 購入したパンフレットを見ると、ドライヤーかんとはチャップリンと同い年なのですね(1889年生まれ)。 カール・テオドア・ドライヤー監督。若い頃はジャーナリ…
川島雄三『接吻泥棒』 石原慎太郎原作の小説の映画化ですけども(松山善三が脚色)、東京都知事の頃の彼しか知らない人には、この猛スピードで展開するラヴコメディとあのタカ派政治家はほとんど結びつきません(笑) なんと、カメオ出演してます(笑) ちな…
湯浅政明『犬王』 なんなのだ、この大傑作は! とにかく浴びるように映画館で見るべし! スマホで見るなど論外です。 「浴びる」事でまずは全身を感動させ、然る後にディテールを確認するためにサントラやDVDで隅々までチェックする。 コレが本作を見るため…
ジョセフ・コシンスキー『トップガン マーヴェリック』 まさかの続編がとうとう公開です! この作品の続編を望んでいた人はほとんどいなかったと思いますし、やる必然性もほとんど感じなかったです。 正直なところ言いまして、トム・クルーズが続編を作りた…
レオス・カラックス『アネット』、 エドガー・ライト『スパークス・ブラザーズ』 現在のスパークスのお二人。左が兄のロン、右が弟のラッセルのメイルズ兄弟です。この2人を不動のメンバーとするのがスパークスです。 スパークスというロックバンド、という…
ロベール・ブレッソン『湖のランスロ』 いきなりこんな殺伐とした映像の連続で始まります! 12世紀後半の詩人、クレティアン・ド・トロワによる『ランスロまたは荷車の騎士』という中世の物語詩を主な原作とする、孤高の映画監督、ロベール・ブレッソンの197…
ガス・ヴァン・サント『グッド・ウィル・ハンティング』 主人公のウィル(Will)があのような環境で良い意志(Good Will)を得る(Hunt)のは難しい。というダブルミーニングのタイトルです。 ガス・ヴァン・サント監督は、どうも題材が苦手で見ていませんでした…
市川崑『犬神家の一族』 『エヴァンゲリオン』でも使われた、おなじみの文字組みです。 コレほど、もうすっかり見た気になってしまう古典は現在ないでしょうね(古典というのは、そういうモンですけど)。 しかし、実際に見てみると、あのスケキヨ。と認知さ…
アダム・マケイ『Vice』 下院の実習生でしかなかったディック・チェイニーは如何にして最高権力を手に入れたのか? コレはですね、『Don’t Look Up』と合わせて見る必要があると思います。 このViceとは何なのか?と言いますと、vice-presidentの略でして、…
アダム・マケイ『Don’t Look Up』 もし地球に巨大な隕石が100%の確立で衝突し、地球上の生物を残滅させる事がわかったとしたら? と、なんだかどこかで見たことがあるような設定ですが(笑)、マケイ監督は、「絶対に人類は団結しない!そんなのはウソ!」と…
スティーヴン・スピルバーグ『West Side Story』 アーサー・ローレンツ脚本、スティーヴン・ソンドハイム作詞、レナード・バーンスタイン作曲による、1957年に初公演されたミュージカルを、1961年にロバート・ワイズ版、ジェローム・ロビンス振り付けによっ…
クリント・イーストウッド『クライ・マチョ』 なんでこんな素っ頓狂なタイトルなのか?は見てのお楽しみなのです。 イーストウッド監督作品をすべて見ましたが、コレはイーストウッド作品史上、最も緩い作品です(笑) いやー、驚驚くべき冒頭シーンでした。…
リドリー・スコット『ハウス・オブ・グッチ』 見ていてすごく驚いたんですよ。 80歳を過ぎたリドリー・スコット監督が全く枯れていないんですよ。 2022年1月で84歳。未だに創作意欲が衰えない、リドリー・スコット監督。 このところ、映画の制作ペースがイ…