2023-01-01から1年間の記事一覧

圧倒的に残酷な家族崩壊劇!

小津安二郎『東京暮色』 主人公の有馬稲子の飲酒、喫煙シーンが小津作品のパブリックイメージを崩します。 既に戦後の自らのスタイルを確立した小津安二郎の一連の作品だと思って見ると、心底痛い目に遭う、戦後屈指の異色作。 『風の中の雌鶏』は、戦後直後…

ネチョネチョ生きる。

中島貞夫『893愚連隊』 中島貞夫という監督は知ってはいましたが、東映の職人監督で、深作とともに、実録やくざ映画を量産していた人。というイメージがあって、積極的に見てみようと思わなかったんです。 山下毅雄がサントラを担当しているという事で『現代…

とにかく新しい感覚の映画ですね!必見!

S. クレイグ・ザラー『Brawl in Cell Block 99』 いやはやすごい。すばらしい。そして、ひどいバイオレンス(笑) 彼の作った長編3作はいずれも通奏低音のように緊迫感を漂わせつつ、それは決して高揚していく事がありません。 いずれもかなりのバイオレンス…

森田芳光監督の怪作です!

森田芳光『そろばんずく』 森田作品の中でも破天荒さではトップクラスです。 『それから』で、なんと、夏目漱石の文学世界にまで突入してしまった直後に発表された、森田芳光の痛快作。 ト社とラ社というライバル関係にある広告代理店の対立を軸に描かれるか…

セルジオ・レオーネのあの傑作の元ネタです!

ジョン・フォード『リバティ・バランスを射った男』 ジェイムズ・スチュアートがジョン・ウェインを殴るという、なかなかにショッキングなシーンです。 ジョン・ウェインが最後にフォード作品に出演した映画として有名ですが、フォードはまたしても西部劇の…