2016-01-01から1年間の記事一覧

今見ても驚いてしまう傑作アクション西部劇

ハワード・ホークス『リオ・ブラボー』 すごい。 冒頭4分間一切セリフなしで、お話しの構図を全部説明しつくしてしまう圧巻の編集とカメラワーク! 別に派手な動きは一切ないのに、なんですかね、このカッコよさ。 アル中で文無しフラフラのディーン・マーテ…

濃厚です。

エミール・クストリツァ『ジプシーのとき』 ベルハン一家。狭いながらも楽しい我が家。 冒頭から漂う、独特の可笑しみ。 いい映画というのは、始めの10分が面白くないとあとはもう全くダメですが、コレは合格ですね。 音と映像の量がとにかくすごい。 酔っ払…

西部劇の終焉。

ジョン・スタージェス『The Magnificent Seven』 白浪七人男、揃い踏み! 『荒野の七人』という邦題はちょっと今ひとつだなあ。 『誇り高き七人』という直訳で充分カッコよくないですか? スタージェス、マクイン、バーンスタインという鉄壁の3人によるアメ…

青春群像の王道を描いてます。

F.ギャリー・グレイ『Straight Outta Compton』 「ギャングスタ・ラップ」というスタイルとその人気を全国区に広げた伝説的なヒップホップグループ「N.W.A」を描いた、ハードコアな青春群像。 N.W.Aのメンバー。 アイス・キューブ、Dr.ドレー、イージーEと言…

「何が始まるのですか?」「第三次世界大戦だ」

マーク・L・レスター『コマンドー』 こんなに丸太が似合う役者はいない。 シュワちゃん映画の最高傑作は、だれがなんと言おうとコレなのだ! しかも、フジテレビの土曜日の『ゴールデン洋画劇場』のバージョンと決まっている。 「シュワちゃん」の名付け親は…

こんなワイダをもっと見てみたかった。

アンジェイ・ワイダ『夜の終わりに』 2016年に90歳で大往生した反骨の作家、アンジェイ・ワイダの若き日の作品。 フランスのヌーヴェルヴァーグは、世界中に多大な影響を与えましたが、かのワイダもモロに影響を受けていたんですね。 音楽はクシシュトフ・コ…

素直にストレート投げたら見事なストライクでした。

ライアン・クーグラー『クリード』 アポロの隠し子で、やんちゃすぎて更生施設に入れられていました。 まさかのスピンオフ作品。 アポロの息子、アドニスがプロボクサーになり、とっくにボクシング界から引退しているロッキーがコレを育てるという話しです。…

撮影、大変だったでしょうね。。

アレハンドロ・ゴンサーレス・イニャリトゥ『レヴェナント』 昭和っぽいポスターがナイスです(笑)。 ビーバーの毛皮を獲っていた男たちがネイティヴ・アメリカンの部族のアリカラ族たちに襲撃を受けて大半が死にました。 ビーバーの毛皮を狙われたんですね…

コレを見てると自分がいかにマトモなのだなあ。と思ってしまいます(笑)。

ジャック・タチ『プレイタイム』 なななななななな(笑)。 画面の情報量の多さが尋常でない(笑)!! ロバート・アルトマンの映画の登場人物がものすごく多いとか、もうそういうレベルではなくて、1つのショットに必ず全然違うベクトルに動いている人たち…

とてもユニークなドキュメンタリー大作でした。

小川紳介『ニッポン国古屋敷村』 なかなかソフト化されることのなかった小川プロダクションが数多く制作してきたドキュメンタリーが、現在、続々とDVDとなって、ようやく本作を見る事が出来ました。 養蚕、炭焼き、米作りなどを生業とする山形県の山村、古屋…

うまい。うますぎる。

クリント・イーストウッド『サリー』 機長と副機長。トム・ハンクスは、なぜか事故とかトラブルに巻き込まれる役が多いですね。 邦題『ハドソン川の奇跡』は、内容を誤って伝えていると思うので、原題『Sully』(主人公のサレンバーガー機長の事です)をその…

うまいなあ、これも。

エリック・ロメール『モード家の一夜』 「6つの教訓話」の第3話。 タイトルに「一夜」とありますが、一夜のお話ではないです(笑)。 その一夜が重要ではあるんですが。 タイヤ会社に勤めるジャン=ルイ・トランティニャン。 久しぶりに哲学を大学で教えて…

三島由紀夫原作!

三隅研次『剣』 KEN !!!!! 「剣三部作」の第二作目。 なんと、原作は三島由紀夫! 本作は現代で、白黒映画になります。 舞台は東大を模した東和大学。 「太陽の本質」を知ってしまった市川雷蔵は、剣道部の主将です。 私は、雷蔵は現代劇の方が素晴らしいと…

『仁義なき戦い』の原型。

ジッロ・ポンテコルヴォ『アルジェの戦い』 ヴェネツィア国際映画祭でフランスの映画関係者のフランソワ・トリュフォーを除いた全員が激怒して退席したという、伝説の映画。 これが映画館で上映されるのは一体何年ぶりなのかわからないくらいですが、ようや…

苦い。

マイケル・チミノ『ディア・ハンター』 ヴェトナム戦争もの。というのは、一つのジャンルをなしているが(『タクシー・ドライバー』や『ランボー』、(ナッシュビル』も含めていいと思う)、その中でも、『地獄の黙示録』や『フルメタル・ジャケット』(の前…

修羅雪、警察と戦う!

藤田敏八『修羅雪姫 怨み恋歌』 なんと、続編が作られたんですね。 冒頭の移動撮影によるワンショットで撮られたアクションシーンからしてもうすごいですね。 とにかく、藤田演出はアイデアが独創的です。 単なるヴァイオレンス映画にはなりませんね。 日露…

三隅美学が炸裂!

三隅研次『斬る』 冒頭からいきなりアクション! 市川雷蔵の「剣三部作」の第1作目。 いきなり女性同士のアクションから始まって、あっという話に20年以上年月が経ってしまう、べらぼうなまでにサクッと進んでしまう、手際がよいを通り越した割りきりぶりが…

パリとリゾート地を行ったり来たり。

エリック・ロメール『緑の光線』 傑作揃いの「喜劇と格言」の第5作目。 (恐らく1984年の)7月2日月曜日から8月4日土曜日までを描くドラマ。 この映画のこの日付の入れ方は、モロにホン・サンスがパクってますよね。 タイトルの緑の光線というのは、ジュール…

白浪十三人男の勇姿!!

ロバート・オルドリッチ『ザ・ダーティ・ダズン』 リー・マーヴィン! 邦題『特攻大作戦』も悪くないんですけども、原題がいいですなあ。 もともと、「ダーティ・ダズン」というのは、仲間同士で使う罵り言葉でして、例えば、アフリカ系のやんちゃな連中が仲…

コレがなければ、あの『キル・ビル』はなかった!

藤田敏八『修羅雪姫』 明治6年に起こった「血税騒動」(後述)の混乱時に殺害された新任の小学教員一家殺害へのかなり複雑な復讐譚。原作は小池一夫、上村一夫によるマンガです。梶芽衣子演じる刺客、修羅雪。時代劇というよりも、マカロニ・ウェスタンを思…

見たら絶対にクセになります!クー。

ゲオルギィ・ダネリヤ『キン・ザ・ザ!』 ヴラディーミルとゲダバン。 正式な邦題は、『不思議惑星キン・ザ・ザ』なんですけども、実際に見たインパクトは、原題をそのまま音写した方が説得力があると思います。 まあ、「キン・ザ・ザ!」ではなんのこっちゃ…

全身全霊をかけて作られた大傑作!

ジャック・ドゥミ『ロシュフォールの恋人たち』 またしても、ドゥミ=ルグラン=ドヌーヴで作られた作品で、ジョージ・チャキリス、フランソワーズ・ドルレアック、ミシェル・ピコリ、ジャック・ペランと、一挙にキャスティングが豪華絢爛になった、ミュージ…

上田馬之助も出演している、パンク映画の金字塔!

石井聰互『爆裂都市』 ロッカーズとルースターズの混成バンド 『AKIRA』、『マッドマックス2』と言った映画とともに語られるべき、パンクなヴァイオレンス映画の金字塔。 ザラついた白黒映像を多用し、敢えて全体像を見せず、揺れる手持ちカメラでひたすら…

今見てもビックリな手法で撮られた映画です。

ジャック・ドゥミ『シェルブールの雨傘』 美しいオープニング! 1957年11月から始まり、1963年12月からまでの物語で、全編セリフが歌(歌は全員プロの歌手に吹き替えです)という異色の映画。 シェルブールはフランスの軍港でして、ココから、アルジェリア戦…

増村保造との違いを思い浮かべながら見ました。

ジョーゼフ・ロウジー『エヴァの匂い』 赤狩りで本国を追われ、ジプシー監督となったロウジーが放った、鋼鉄製のヌーヴェル・ヴァーグ。 フランス人よりももっと乾いていて冷徹ですね。こわいです。 書いた小説が映画化されて一挙に金持ちになった作家のタイ…

ハリウッド最後の大作ミュージカル。

ロバート・ワイズ『サウンド・オブ・ミュージック』 実は見ていなかったシリーズ(何回めでしたっけ)。 正直申し上げると、ミュージカルは苦手です(笑)。 理由はゾワゾワするから。 キレイな衣装を着て、バッチリメイクして、そんなに両手を広げて高らか…

脚本が素晴らしい!

ジョン・ワッツ『コップカー』 なんとも冴えないタイトルですが、コレが面白かったなあ。 男の子2人のアホさ。 太古の昔より、男の子はアホだなあ(笑)。 見つけちゃった。 たまたま見つけてしまったパトカー(アメリカではコップカーというのね)。 ドアは…

ウルトラヴァイオレンスの次は本格的な文芸大作!

スタンリー・キューブリック『バリー リンドン』 レドモント・バリーの初恋 ウィリアム・サッカリーの同名小説を映画化した大作。 当時の評判はアンマリ芳しくなかったみたいですね。 多分、もっと冒険活劇みたいなものが期待されていたんでしょうけども、そ…

私は謎なのだ。→中二病だと思う。

ルキーノ・ヴィスコンティ『ルートヴィヒ』 ヴィスコンティが編集作業中に倒れ、半身麻痺となり車椅子に乗りながも制作された、約4時間の執念の大作。 残念な事に、生前はヴィスコンティの望む形での公開はできなかったらしく、180分、果ては、140分バージ…

全然作風が違うんで驚きました。

エリック・ロメール『獅子座』 ロメールの長編第1作。 日本での商業公開は1990年。 日仏学院がフィルムを所有していて、時折公開していたようです。 にしても、幻に近い作品であったのは間違いありません。 他のヌーヴェル・ヴァーグ作品のように商業的に成…