2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

こんな破天荒なドキュメンタリーはないでしょうね。

原一男『ゆきゆきて、神軍』先日、亡くなった水木しげると本編の主人公、奥崎謙三には共通点があって、それは、太平洋戦争でともにパプア・ニューギニアに派遣され、そこで生死を彷徨った(水木は左腕を失い、奥崎は右手小指を失う)。無論、二人のその後の…

映画館で見直したいなあ。

相米慎二『台風クラブ』。こりゃたまげた(笑)。今だったら、絶対許されないでしょうね。もしこれを現在制作したら、相米監督だったら、映倫通さないで上映するでしょうが。相米がこういうスタイルを確立したのかはわからないけども、アンゲロプロスのそれ…

ヒップホップ映画ではありません。

園子温『Tokyo Tribe』えー、疲れました(笑)。登場人物が多すぎて、掴みにくいです。要するにネオ・番長ムービーのサントラがヒップホップというだけで、それだったら、『ビーバップ・ハイスクール』の方が面白かったなあ(原作はどうも好きになれなかった…

ひとまずのウディ・アレンの集大成作品。

ウディ・アレン『ハナとその姉妹』『アニー・ホール』以後の彼の作品の総決算と言ってよい作品。とにかく、圧倒的にうまい。脚本、配役、キャメラ、編集、音楽がもうこれ以上ない時くらいに素晴らしい。強迫観念のように死を恐れるウディ・アレンのシーンに…

たけちゃんのツヤツヤぶりを見て欲しいですね!

大島渚『Merry Christmas, Mr. Lawrence』 日本軍のキャスティングがすごいです。 ビートたけし、坂本龍一、内田裕也ですよ。 そりゃ、イギリスに負けるわけですね(笑)。 原作は、この映画でもメインキャストになっている「ローレンス中佐」である、ローレ…

三島由紀夫がヤクザ映画の主演!

増村保造『からっ風野郎』な、なんと、当時人気作家だった、三島由紀夫(チャーリー・パーカーに似てます)が、ヤクザ役で主演という恐るべき作品。現在の状況に、コレに類する事がないですよね。三島由紀夫。という人は、それだけ桁外れなカリスマ性がある…

タルコフスキーはホンモノの芸術家ですね。

アンドレイ・タルコフスキー『アンドレイ・ルブリョフ』ロシアに実在したイコン画家である、アンドレイ・ルブリョフ(1360頃〜1430)の生涯を描く、タルコフスキーの大作だが、彼の事跡はよくわからないところが多いので、様々なエピソードをつなぎながら、…

よくやった!キートン!!

バスター・キートン『セブン・チャンス』全盛期のバスター・キートン主演監督作。中学から高校にかけて、チャップリンの映画が好きでよくVHSを借りて見ていたんですが(『街の灯』は未だに忘れられない映画ですね)、キートンは見てなかったんですね。しかし…

天才モリタのデビュー作

森田芳光『の・ようなもの』天才モリタのデビュー作ですが、この人は最初からぶっ飛んでますなあ。主人公は冴えない落語家、志ん魚(しんとと。と読みます)ですが、この空っぽな喋り方は一体なんであろうか。しかも、微妙に噛み合わない。この主人公の喋り…

要再評価の戦争映画!

増村保造『赤い天使』いきなり若尾文子が傷病兵たちにレイプされる冒頭に唖然。。更に、前線に派遣されて、脚や腕を局部麻酔だけで切り落とすのを押さえつけるといったなかなかキツい仕事に従事。このシーンはなかなか凄惨。当時の映画のギリギリじゃないで…

昭和後期がバッチリ映ってますよ!

クロード・ガニオン『Keiko』大阪万博の時にカメラマンとして来日し、そのまんま居ついてしまったカナダ人が撮ったという、なかなかトンデモない映画。ガニオンは現在はカナダに帰国して、相変わらず映画を撮ってるのですが、ATGで制作されたこの長編第1作…

今見ても驚くような作品。

ウディ・アレン『アニー・ホール』大学の時に見て以来、久々に見直してますが、最近のウディ・アレンの映画と比べるととてつもなくアクが強い作品ですよね。もう、ウディは監督に徹してますが、この頃の作品は自ら主演する作品が多く、ウディ・アレンの神経…

コポラを破滅寸前まで追い込んだ作品。

フランシス・フォード・コポラ『地獄の黙示録』。余りにも有名な作品なんで、説明するのもはばったくなりますが、コポラは、最後のクレジットが一切ないラストを考えていたそうです。私がかつて見たVHSでは、最後にウィラード大尉が、空軍に無線連絡して(そ…

ちょっと視点を変えると。

ダン・ギルロイ『ナイトクローラー』昨年見逃していて、ようやく見ました。コレは、めちゃくちゃ面白かったですね。昨年の封切りでは、ゴダール『さらば愛の言葉よ』イニャリトゥ『バードマン』ジョージュ・ミラー『マッドマックス』が、飛び抜けてよかった…

小津安二郎の隠れ名作

小津安二郎『お早よう』小津の作品としては、あまり脚光を浴びてませんけども、コレ、なかなかの隠れ名作だと思います。本作は、小津が戦前に得意としていたコメディと戦後のスタイルを混交させたという、ちょっといつもと違う作風でして、そういうことで、…

こんなのを戦時中に作っている国と戦って勝てるわけないですね。

エルンスト・ルビッチュ『天国は待っててくれる』ルビッチュの初カラー作品。日本での公開はなんと、1990年になってから。何といううまさ。余りにもうまいので驚いてしまう。地獄に行くのか否かの審査を受けている男が人生を回顧する。という、『トムとジェ…