2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

価値観の転換期を繊細に描く

ジェイムス・アイヴォリー『眺めのいい部屋』 ジョージに興味を持ち始めるルーシー。 付き添い人のシャーロットはイギリスを代表する女優、マギー・スミス。 イギリスの文豪、フォースターの原作の映画化。 すでにかなりのキャリアを積んでいたアイヴォリー…

巻き込まれ型サスペンスの古典

アルフレド・ヒチコク『知りすぎた男』 家族でモロッコ観光をするつもりが。 『ハリーの災難』という怪作を生み出した翌年、1956年の作品。 それにしても、ものすごいペースでこの頃のヒチコクは映画撮ってますねえ。だいたい年に2本くらいのペースで映画を…

大映の谷崎原作ものは面白いです!

市川崑『鍵』 市川作品のオープニングのデザインのカッコよさには、いつもしびれますねえ。 谷崎潤一郎の小説の映画化。 原作は1956年に連載されていた作品ですから、公開当時は谷崎の最新作を映画化しているんですね。 『卍』、『刺青』、『痴人の愛』はす…

『スターウォーズ』より、『バーフバリ』でしょ!

S. S. ラージャマウリ『バーフバリ 王の凱旋』 カッタッパがなぜ、アマンドラ・バーフバリを殺さなくてはならなかったのか?が回想として続きます。 ※若干前編の重要なポイントをネタバレさせてしまうので、前編を見てない方がご覧にならないように。 バーフ…

レイ・ミランドの畢生の名演!!同年の『裏窓』と対をなす傑作!!

アルフレッド・ヒチコク『ダイヤルMを回せ』 電話などの小道具の使い方が実にうまい作品です。 ヒチコクのワーナー作品。 レイ・ミランドがほとんどジェームズ・スチュアートに見えるのですが、それは、ヒチコクがそういう記号的な役割を主演にさせていると…

カズオ・イシグロがノーベル文学賞とったと思ったら、監督のアイヴォリーまでアカデミー受賞でした。

ジェイムス・アイヴォリー『日の名残り』 スティーヴンスが仕えるダーリントン卿の邸宅。 ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ(彼を日本と結びつけて考えても仕方がないと思います)原作の小説の映画化です。 「マーチャント・アイヴォリー・プロダク…

御大、ますます軽快にしかも実験的になってきました。

クリント・イーストウッド『15時17分、パリ行き』 ※公開されたばかりの作品ですので、絵は載せません。あしからず。 2015年8月21日、アムステルダムからパリに向かう高速鉄道タリス内で実際に起こったテロ未遂事件についての映画化で、ここのところ、イース…