2015-01-01から1年間の記事一覧

相変わらず増村は切れ味が抜群!

増村保造『妻は告白する』若尾文子、こわい(笑)!しかし、これぞ女のホンネ!!清々しいです!!しかし、やはりこわいです!!薬学部に通っている貧乏学生であったあややが、ゼミの助教授のマッチョなおっさんに無理やり結婚されられたあややが、旦那の趣…

圧倒的な大作!!

内田吐夢『飢餓海峡』 最近スッカリ見なくなりましたね、こういう字体。 水上勉の代表作と言ってよい小説の映画化。 始めた見たのは、VHSで、一般公開版のかなりカットしたバージョン(167分)でしたが、現在出ているDVDは、3時間バージョンでして(内田が…

音楽ドキュメンタリーの傑作!

バート・スターン、アラム・アヴァキアン『真夏の夜のジャズ』。1958年に開催された、第5回ニューポート・ジャズ・フェスティバルの模様を映したドキュメンタリー。ほとんど、説明はなく、ひたすら素晴らしい演奏を見事な映像と編集で見せるのみ。という、…

肝心なところは見せない。

ロマン・ポランスキ『ローズマリーの赤ちゃん』正直申し上げると、あんまりホラー映画は好きではないです。しかし、監督がわれらがロマン・ポランスキ。この人の、どこか巨匠になりきれないB級感覚がとても好きで、結構好きな監督なんですが、音楽を担当し…

なんとか完全版を見たいものだ。

黒澤明『白痴』高校の頃に見て以来ですが、黒澤明『白痴』を見ています。驚くべきことに、戦後すぐの札幌の冬を映してるのが今となってはとても貴重ですね。小学校2年生の途中まで、札幌で過ごしたので、生まれ故郷のようなモンです。当時の札幌は、日本と…

カサヴェテス、ここにあり!

ジョン・カサヴェテス『フェイセズ』ハリウッド資本に一切頼らずに撮られた、カサヴェテスの作風が確立した、記念碑的な作品。カサヴェテスの独特の文法に、始めは慣れないかもしれませんが(この作品はお客さんを選ぶ作品ではありますね)、ほとんど即興的…

素敵な遺作!

キャロル・リード『フォローミー』あの、『第三の男』という傑作を撮った職人監督が最後にとったのがラブコメであったというのは、かなり驚きです。しかも、またしても、アメリカ人が主人公なんですね。カリフォルニアからやってきた、ちょっとおのぼりさん…

面白かった!

ジョン・カーペンター『ダーク・スター』ホントに面白かった。この人は低予算だとホントに面白いです。毎年、1000万円与えて、好きなように作らせたらいいのでしょうね(笑)。これを見て、「オレにも撮れる!」と勇気付けられた人は世界中にたくさんいるで…

映画は白黒こそ素晴らしい。

キャロル・リード『第三の男』。私の子供の頃、映画ベスト100みたいなものに必ずと言ってよいほど常連の映画でありまして、有名なテーマ曲とともに結構見た気にさせてしまう映画で、実際は見てません。という人は多いのではないでしょうか。駅前のバッタもの…

DVDでジックリ見るのに向いてます。

エドワード・ヤン『恐怖分子』。DVDにて再見。ようやく彼の代表作が容易に見ることができるようになりましたね。エドワード・ヤンの撮り方はホントに独特ですね。ものすごく突き放したような登場人物との距離感。余白の多い画面構成。室内がガランとしていて…

なんでこんなにこわいのよ(笑)!

イングマール・ベルイマン『叫びとささやき』ベルイマンは結構容赦ない映画を作る人ですが、この映画は彼の作品の中でも相当に厳しい作品の1つだと思います。三人姉妹の真ん中が、何の病気なのか、見ててもわかりませんが、こわいんですよ。コレが(笑)。…

谷崎潤一郎のドロドロを見事に編集して見せる手腕

増村保造『刺青』。これまた谷崎潤一郎作品(なんと、1910年の発表です)の映画化で、若尾文子主演、新藤兼人脚本の黄金のトライアングルであります。また、特筆すべきは日本映画の国宝といってよい、宮川一夫の撮影です。大映で名だたる巨匠が撮りたがった…

オルトマンが撮ったソ連映画

ロバート・オルトマン『ショート・カッツ』長いす(笑)。3時間はさすがにキツイ。『ロング・グッドバイ』を、『ナッシュビル』の規模でやってみました。という作品と言ってよいと思います。殺人、交通事故死、自殺、不倫、呑んだくれ、水死体などなどの出…

タランティーノもびっくりよ。

岡本喜八『独立愚連隊』すごいなあ。『ワイルド・バンチ』や『マッシュ』よりもずっと先にこれが作られていたなんて。岡本監督はこの映画にとても不満だったようで、それが代表作『肉弾』を生む契機となったようですが、イヤイヤ、こんな映画は岡本喜八にし…

オルトマンはオルトマンであった。

ロバート・オルトマン『ザ・プレイヤー』オルトマンの久々のハリウッド作品で、なんと、カンヌで監督賞、主演男優賞を取ってしまった痛快作。『ポパイ』の惨敗でハリウッドから完全に干されながらも、ヨーロッパで映画を作ったり、テレビドラマを作っていた…

痛快!

ジョン・マルーフ『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』めちゃ面白かった!最高!!死後、膨大に発見された作品が余りに素晴らしく、とうとう、ドキュメンタリー作品まで作って、MoMAはいい加減、彼女の優れた写真を認めんかい!と高らかに宣言した痛快な映画…

実は後半があった。

ヴィクトル・エリセ『エル・スール』『ミツバチのささやき』でいきなり世界中の映画ファンの度肝を抜いたエリセがそれから10年後に発表した作品。何もしていたのかというと、商業映像を作って生活してたらしいですね。この辺がエリセの謎ですねえ。本作は、…

こういう作り方は思いもつかなかった。

ハミッシュ・ハミルトン『David Bowie is』これはホントに面白かった。デイヴィッド・ボウイついて、イギリスの博物館で展示がありまして(現在も世界中に展開中)、それについてのドキュメンタリー。という変わった作品なんですが、この手法が実に面白い。…

ほとんど奇跡のような名作

ヴィクトル・エリセ『ミツバチのささやき』同じスペインでも、ブニュエルとはえらく作風が違うものですが(笑)、多作のブニュエルに対して、長編をわずか3作品しか撮っていない(21世紀になってからは、短編を数作しか撮っていない)稀代の寡作家である、…

さすがという他ない。

ルイス・ブニュエル『ビリディアナ』久々にスペインで映画を撮ったと思ったら、フランコ政権を激怒させ、バチカンが憤慨したという、相変わらずの反骨ぶりを発揮した問題作。しかし、ここまで嫌悪感を催す映画も珍しい(笑)。特に後半の乞食たちが自殺して…

完成したものを見たかった

ジャン・ルノワール『ピクニック』。ルノワールが戦前に撮影したまま未完となってしまったフィルムを、助監督をしていたジャック・ベッケルが監督の許可を得て、戦後に出来うる限り復元した作品。冒頭と後半部分が撮影されないまま(つまり、田舎のシーンだ…

昨年書いたものを手直しして。

クリント・イーストウッド『ホワイトハンター、ブラックハート』。ハリウッドに伝説的武勇伝を遺した、ジョン・ヒューストンの『アフリカの女王』の撮影状況をもととしたフィクションだが、地獄の黙示録のような、モノホンの撮影地獄ではなく、81/2のような…

出演者がことごとくその後有名になっていきますね。

川島雄三『幕末太陽傳』。日本映画史に燦然と輝く名作。彼の才能が見事に爆発した作品で、戦前の日活が時代劇を量産して隆盛を極めていたことがよくわかる作品でもあります。幕末。なのにタイトルの背景に電車が走っているところからして人を食ってますが(…

谷崎原作、新藤兼人脚本、あやや主演で悪かろうはずがない!

増村保造『卍』。谷崎潤一郎の原作の初の映画化。昭和3年に『改造』に発表されたかなりキワキワの小説を、戦後に設定を変えて、相変わらずのドライな演出で見せる増村の演出が素晴らしい。バイセクシャル、四角関係、ドラック、フリーセックス、悪魔主義に耽…

ストーリー展開がおよそ日本映画とは思えない。

増村保造『でんくらげ』渥美マリ主演の大映末期の「軟体動物シリーズ」(すげぇタイトル・笑)のひとつ。主人公のユミがホステスをやっている母親のヒモにレイプされた事を知って、逆上して包丁で刺殺しまうのですが(そこまでに映画が10分くらいしかかかっ…

マトモな事をしろ!

スパイク・リー『ドゥ・ザ・ライト・シング』高校の時に初めて見たんですが、イヤー、冒頭のパブリック・エネミーの低音が、アンプを通すと、ズシンときて最高す(笑)。登場人物のレディオ・ラヒームが一日中デカいラジカセを担ぎかながら、爆音でパブリッ…

今見ても驚いてしまう大傑作!

オーソン・ウェルズ『黒い罠』オーソン・ウェルズの望む形で公開できたのは、なんと死後。というまたしてもいわくつきの作品。この作品をもって、オーソン・ウェルズはハリウッドと決別し、以後は、ジプシー監督/俳優として、世界中を放浪することになる。…

切なくて、おかしくて。

フェデリコ・フェリーニ『オーケストラ・リハーサル』フェリーニはホントに大好き。というか、『甘い生活』と『81/2』が好きすぎて、他の作品を見ることができないんですね。この2作を見てると、もう映画にカラーなんていらない。ステレオもドルビーもCGも3…

これは見落としていた。

ジョン・ヒューズ『ブレックファスト・クラブ』私の見てる映画のラインナップを一瞥すればわかるように、私はアメリカの青春映画が全くダメで、『セント・エスモス・ファイア』すら見たことないんです。コレも青春映画ですが、コレには驚きましたね。ライム…

ブレードランナーの元ネタ?

ジャン=リュック・ゴダール『アルファビル』 この後に発表される初期ゴダール最終作と言ってよい大傑作『気狂いピエロ』(ずっと私、「きぐるい」と読みまつがっていました・笑)の前に発表された作品ということもあり、あんまり言及されない作品ですが、こ…