ベルイマンは結構容赦ない映画を作る人ですが、この映画は彼の作品の中でも相当に厳しい作品の1つだと思います。
三人姉妹の真ん中が、何の病気なのか、見ててもわかりませんが、こわいんですよ。コレが(笑)。
生半可なホラーなんて目じゃないんです。
スヴェン・ニクヴィストのカメラワークのえげつなさ。
こんなに容赦なく、登場人物一人一人をむき出しに映すような顔のアップ連続!みたいな撮り方って、ちょっと見たことないです。
もう、結構な巨匠になっている頃だというのに、何たるギラギラを通り越した、異様な狂気すら伝わってくる映像です。
ここまでやると、ギャグになりかねませんが、やっぱりこわいす(笑)。
登場人物がことごとく血が通ってませんね(笑)。
金持ちの異様な冷たさ。
19世紀末と思しき、スウェーデンのお金持ち一家のお話しなんで、映像は豪華ですが、赤を基調とした不気味な色調で、アザとく赤ワインが入ったグラスが割れたり、画面がブラックアウトじゃなくて、レッドアウトします(笑)。
唖然としますね。。
何がここまでベルイマンを追い込んでいるのでしょうか。
巨匠の名作なんて、退屈でつまらんのでしょ?と思ってる方がいたら、是非ともコレをご覧いただきたいです。
精神的に落ち込んでる方は、あまり見ないほうがいいかもしれません。
刺激が強すぎますので。
ベルイマン真骨頂は、やっぱり終盤ですね。コレは一切言わない方がいいでしょう。
ベルイマンが、『お葬式』を撮ったら、こうなるという(違うか)、息苦しいまでの黒い傑作。