2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

全然作風が違うんで驚きました。

エリック・ロメール『獅子座』 ロメールの長編第1作。 日本での商業公開は1990年。 日仏学院がフィルムを所有していて、時折公開していたようです。 にしても、幻に近い作品であったのは間違いありません。 他のヌーヴェル・ヴァーグ作品のように商業的に成…

逃避行映画の原点!

ニコラス・レイ『夜の人々』 ニコラス・レイ衝撃の初監督作品。 一般的には、『理由なき反抗』や『大砂塵』で知られてますけども、彼の真骨頂はそれ以前の作品にあります。 ですので、日本では彼の真価がなかなか伝わらず、一部の映画ファンの間にしか評価さ…

私がスパルタクスだ!

スタンリー・キューブリック『スパルタカス』 鉱山で剣闘士として買われるスパルタクス。 タイトルの通り、ローマ共和政末期に起こった、スパルタカスの反乱の顛末を描いた3時間を超える大作。 コレでキューブリックの世界的な名声が確立したんですが、キュ…

見事な2時間でした。

ジョージュ・ミラー『MADMAX 怒りのデスロード』 素晴らしいクルマのデザイン! ブルーレイにて再見。トレーラーが砦から逃げ出し、そして、結局、その砦に戻っていく。 マックス以外の主要キャラ。 ただ、それだけの事しか描いていないんですが、この間に、…

耳なし芳一だけでも必見!

小林正樹『怪談』 オープニングがものすごくカッコいい! これまた、美術戸田重昌、音楽武満徹と組んだ、3時間を超える大作。 音楽というのか、音響効果がすごいです。 立身出世のために棄てられた女性。 今聴いても驚きますね。 日本における「音響派」と呼…

人生は祭りだ。

フェデリコ・フェリーニ『81/2』 もう一体どんだけの回数見たかわからないくらいに見ましたね。 多分、今まで見た映画の中で最も好きなのが、コレかもしれません。 劇場のフィルム上映で見たもので1番よかったのは、『2001年宇宙の旅』で、もう、コレは絶対…

エロを生涯にわたって追求した人ですね。

エリック・ロメール『クレールの膝』 1番最初の連作「六つの教訓話」の第5作目。 それにしても、ロメールはぜんぜん作風が変わらないですね。 本作は若い頃の作品ですが、ホントに変わらないです。 とにかく、男と女のおしゃべり、おしゃべり、おしゃべり。 …

邦題が素晴らしいよね。

ジョーセフ・ロウジー 『唇からナイフ』 とても引き締まった映画を撮るロウジーが、こんな鈴木清順の日活時代みたいな映画を撮っていたのは、まことに驚きです。 最近独立したマサラ国は産油国ですが、政情が不安定です。 イギリス政府は、マサラ国からの石…

うまい!

エリック・ロメール『冬物語』 四季を描いた四部作(ロメールは、こういう連作形式で描くのが得意です)の第二作目。 いやー、「夏の日の思い出」には勝てっこないですよ、そりゃ。というお話しです(笑)。 それじゃあ身もフタもないんで、もう少し説明しま…

I'm in Heaven

マーク・サンドリッチ『トップハット』 RKOで制作された、いわゆる「アステア&ロジャース映画」に於ける最高傑作。 全編がアーヴィング・バーリンの作詞作曲で、マックス・スタイナーが音楽監督です。 1935年という不穏な時代にも関わらず、アステアはそんな…

しびれる!

深作欣二『仁義なき戦い』 戦後の広島の呉を舞台とする、今や伝説となったシリーズの第1作。 深作欣二は当初、シリーズ化するつもりはなかったらしく、大ヒットしている最中に東映の社長の一声でシリーズ化が決定したらしいです。 いかにも東映っぽい(笑)…

怒り!

小林正樹『切腹』 彦根藩初代藩主井伊直政の甲冑! 脚本橋本忍、撮影宮島義勇、音楽武満徹、美術戸田重昌。というなんとも贅沢な布陣で製作された小林正樹の代表作。 タイトルがタイトルだけに、佐野周二や笠智衆など一切出てこず、メインキャストが俳優座な…

『カメレオンマン』と対をなす名作。

ウディ・アレン『カイロの紫のバラ』 ウディ・アレン作品の中でも屈指の名作。 世界恐慌後のアメリカを描いた『カメレオンマン』『ラジオデイズ』は、いずれも素晴らしいですが、コレが1番素晴らしいかもしれません。 個人的には『カメレオンマン』を偏愛し…