2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

こういう作り方は思いもつかなかった。

ハミッシュ・ハミルトン『David Bowie is』これはホントに面白かった。デイヴィッド・ボウイついて、イギリスの博物館で展示がありまして(現在も世界中に展開中)、それについてのドキュメンタリー。という変わった作品なんですが、この手法が実に面白い。…

ほとんど奇跡のような名作

ヴィクトル・エリセ『ミツバチのささやき』同じスペインでも、ブニュエルとはえらく作風が違うものですが(笑)、多作のブニュエルに対して、長編をわずか3作品しか撮っていない(21世紀になってからは、短編を数作しか撮っていない)稀代の寡作家である、…

さすがという他ない。

ルイス・ブニュエル『ビリディアナ』久々にスペインで映画を撮ったと思ったら、フランコ政権を激怒させ、バチカンが憤慨したという、相変わらずの反骨ぶりを発揮した問題作。しかし、ここまで嫌悪感を催す映画も珍しい(笑)。特に後半の乞食たちが自殺して…

完成したものを見たかった

ジャン・ルノワール『ピクニック』。ルノワールが戦前に撮影したまま未完となってしまったフィルムを、助監督をしていたジャック・ベッケルが監督の許可を得て、戦後に出来うる限り復元した作品。冒頭と後半部分が撮影されないまま(つまり、田舎のシーンだ…

昨年書いたものを手直しして。

クリント・イーストウッド『ホワイトハンター、ブラックハート』。ハリウッドに伝説的武勇伝を遺した、ジョン・ヒューストンの『アフリカの女王』の撮影状況をもととしたフィクションだが、地獄の黙示録のような、モノホンの撮影地獄ではなく、81/2のような…

出演者がことごとくその後有名になっていきますね。

川島雄三『幕末太陽傳』。日本映画史に燦然と輝く名作。彼の才能が見事に爆発した作品で、戦前の日活が時代劇を量産して隆盛を極めていたことがよくわかる作品でもあります。幕末。なのにタイトルの背景に電車が走っているところからして人を食ってますが(…

谷崎原作、新藤兼人脚本、あやや主演で悪かろうはずがない!

増村保造『卍』。谷崎潤一郎の原作の初の映画化。昭和3年に『改造』に発表されたかなりキワキワの小説を、戦後に設定を変えて、相変わらずのドライな演出で見せる増村の演出が素晴らしい。バイセクシャル、四角関係、ドラック、フリーセックス、悪魔主義に耽…

ストーリー展開がおよそ日本映画とは思えない。

増村保造『でんくらげ』渥美マリ主演の大映末期の「軟体動物シリーズ」(すげぇタイトル・笑)のひとつ。主人公のユミがホステスをやっている母親のヒモにレイプされた事を知って、逆上して包丁で刺殺しまうのですが(そこまでに映画が10分くらいしかかかっ…

マトモな事をしろ!

スパイク・リー『ドゥ・ザ・ライト・シング』高校の時に初めて見たんですが、イヤー、冒頭のパブリック・エネミーの低音が、アンプを通すと、ズシンときて最高す(笑)。登場人物のレディオ・ラヒームが一日中デカいラジカセを担ぎかながら、爆音でパブリッ…

今見ても驚いてしまう大傑作!

オーソン・ウェルズ『黒い罠』オーソン・ウェルズの望む形で公開できたのは、なんと死後。というまたしてもいわくつきの作品。この作品をもって、オーソン・ウェルズはハリウッドと決別し、以後は、ジプシー監督/俳優として、世界中を放浪することになる。…

切なくて、おかしくて。

フェデリコ・フェリーニ『オーケストラ・リハーサル』フェリーニはホントに大好き。というか、『甘い生活』と『81/2』が好きすぎて、他の作品を見ることができないんですね。この2作を見てると、もう映画にカラーなんていらない。ステレオもドルビーもCGも3…

これは見落としていた。

ジョン・ヒューズ『ブレックファスト・クラブ』私の見てる映画のラインナップを一瞥すればわかるように、私はアメリカの青春映画が全くダメで、『セント・エスモス・ファイア』すら見たことないんです。コレも青春映画ですが、コレには驚きましたね。ライム…

ブレードランナーの元ネタ?

ジャン=リュック・ゴダール『アルファビル』 この後に発表される初期ゴダール最終作と言ってよい大傑作『気狂いピエロ』(ずっと私、「きぐるい」と読みまつがっていました・笑)の前に発表された作品ということもあり、あんまり言及されない作品ですが、こ…

何度見ても素晴らしい!

エクトル・バベンコ『蜘蛛女のキス』久々に見返したんですけども、ますます好きになりました。ブラジルの軍事政権下のお話でしょうか。ウィリアム・ハート扮するゲイと政治犯で捕まった、ラウル・ジュリアが同じ部屋に収容されてるなんて、よくよく考えてみ…

イギリス映画のよさって、伝えづらいですね。

ジョセフ・ロージー『できごと』赤狩りでハリウッドにいられなくなり、イギリスで映画を取り続けたジョセフ・ロージーの傑作。冒頭に起きるオクスフォード大学の教授扮するボガードの自宅の近くで起こった車の事故から、この人たちの人間関係に一体何があっ…