記念すべき200本目は、ケン・ローチ!

ケン・ローチ『私はダニエル・ブレイク』 永年のキャリアを持ちながら、それに反比例する日本での知名度の低さはまことに腹立たしい限りですが、ケン・ローチ監督はコレに対して淡々と作品を作り続ける事でしか答えないところがまた彼らしいですね。 彼の作…

打ちのめされましたね。。

エドワード・ヤン『牯嶺街少年殺人事件 A Brighter Summer Day』 私はコレをVHSで見たんですが、残念な事に画面が不鮮明で、夜の場面が多い映画なので、夜のシーンが悲劇的なまでによく見えず、作品の価値が半分以下になっていて、余り楽しめませんでした。 …

全国のお父さんを100%号泣させたであろう、大傑作!

原恵一『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』 いきなり、太陽の塔! オープニング曲のトースティングがなかなか素晴らしいんですけども、コレもまた天才原恵一の名を世に知らしめた名作です! 春日部にこんなトンデモな施設ができてま…

東映が日活アクションを撮った感じでしょうかね。

中島貞夫『現代やくざ 血桜三兄弟』 冒頭のレアグルーヴ感満点のサントラ(なんと山下毅雄のさっきです)から、やくざ映画と思えないノリです。 まだ、あの『仁義なき戦い』が作られる前のやくざ映画は、まだまだ過渡期というか手探り状態だったのだと思いま…

地獄の黙示録を超えました!

富田克也『バンコクナイツ』 映画制作集団、空族(くぞく。と読みます)による3時間を超える大作。 「Bangkok, Shit....!」 まさか冒頭が、『地獄の黙示録』のパロディから始まるとは(チョイチョイ、パロディが入ります。ワルキューレの騎行も流れますから…

國村隼、コワい!!!!

ナ・ホンジン『哭声』 娘にカーセックスを見られてしまう、しがない田舎の警察官が主人公なのだ(笑)。 國村隼が褌一丁で森の中を走っている映画! 私が本作について知っていたのは、それだけです(笑)。 それにしても、見終わった後、全く言葉がないです…

渡瀬恒彦、松方弘樹追悼。

中島貞夫『実録外伝 大阪電撃作戦』 オープニングクレジットの写真を見てくださいよ(笑)! ワルい顔ばっかりです! 深作欣二は、『仁義の墓場』というある意味行き着くところまで行き着いた実録ヤクザ映画を撮ってしまいました。 しかし、実録モノは、中島…

オリンピックってなんだっけ?

ヒュー・ハドソン『炎のランナー』 ヴァンゲリスの音楽と映像が一体化! 本作は戦後であり、そして、戦前でもある1924年のオリンピックパリ大会を描いた、実話に基づいたお話です。 ホントにジェントルマンシップが満ち溢れていた頃のオリンピックというもの…

ストーリーは言えねえ言えねえ。

パク・チャヌク『OLDBOY』 復讐の鬼と化す、オ・デス。 狩撫麻礼の原作を韓国の映画監督が映画化。 昔だったら、こんな事考えられなかったけども、それだけ日本の文化が韓国でも受け入れられているんですね。 とにかく驚きの連続。 15年間も一体どういう理由…

渡哲也が破滅的なヤクザを凄絶に演じる。

深作欣二『仁義の墓場』 『仁義なき戦い』の大ヒットを受けて作られた、東京実録ヤクザ作品。 戦後の闇市(ここでは新宿の闇市です)を舞台とするヤクザの抗争であり、キャスティングも一部かぶります。 しかし、本作が『仁義なき戦い』ほど持ち上げられない…

偉大な芸術家の死を悼む。

鈴木清順『ツィゴイネルワイゼン』 死人のようなのに、一番元気に動き回る、原田芳雄。 初めて見た時の衝撃は未だに忘れられないですね。 初めて見た清純の作品は『けんかえれじい』で、高橋英樹のほとんど初主演くらいの作品だったと思いますが、はち切れん…

またしても映画ではないですが(笑)。

渡辺信一郎『カウボーイ・ビバップ』 タイトルからして、好きなものを2つ組み合わせるという「お子さまランチ感」が満点だ。 とにかく唖然とするほど、好きなものをぶっこむだけぶっこんでいる、この圧倒的な情報量。 ブルース・リー、タランティーノ、ジョ…

コレが原点。

三隅研次『座頭市物語』 勝新太郎をスターダムに押し上げた異形のヒーローの記念すべき第1作。 勝新が驚くほど若く、まだスーパーマン的な部分がなく、テレビ版に漂っているような、あの独特の虚無感はまだ漂っていないですが、やはり原点というのは、見て…

コレもよかった!

原恵一『百日紅』 杉浦日向子のマンガの映画化ですがとても不安でした。 杉浦の素晴らしい原作を台無しにしやしないのか。という不安ですよね。 しかし、監督の名前をちゃんと見てなかったんですね。 ファザコンのお栄。親を「鉄蔵」と呼び捨てにする。自分…

クレヨンしんちゃんからここまで引き出してしまう原恵一はすごい!

原恵一『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦』 驚いた。。 なんというか、ものすごく丁寧なんですよ。 1つ1つのセリフに一切子供だましの手抜きがないんですよ。 モーレツにすごい!とかじゃなくて日常描写がものすごくシッカリしてるんで…

加藤+鈴木コンビが生んだ、シリーズ最高作!

加藤泰『緋牡丹博徒 お竜参上』 シリーズ第6作目ですが、内容は「花札勝負」の後日談。 イカサマ賭博で儲けている「ニセお竜」と「バケ安」の娘で病気で盲目となっていた五十嵐君子(高倉健が手術代を出してくれた事で手術を受けて視力が回復しております)…

お竜さん!

加藤泰『緋牡丹博徒 花札勝負』 緋牡丹博徒シリーズの第3作目。 加藤泰の極端なローアングルのワンシーンワンショットが冴えまくってますね! 冒頭のお竜さんの口上のシーンから、もうしびれました! この人物をちょっと真ん中からズラす構図が加藤泰美学!…

とてつもないスケールで描かれるSF大作の結末!

富野由悠季『The Ideon : Be Invoked』 主人公コスモの家族や友人を殺された事への怒りこそが本作の原点! 一応、テレビアニメの『伝説巨神 イデオン』は39話をもってイデが発動して終わります。 が、オチの方向としてはおかしくないのですが、些か説明不足…

コレを見ないと、映画版を見る事が出来ないのです!

富野由悠季『伝説巨神 イデオン』第1〜38話 イーデオーン。 今回は映画ではないのですが、それには少々説明が必要です。 と言いますのも、映画『伝説巨神 イデオン 発動篇』を見るためには、このテレビアニメの38話まで見る必要があるのです(笑)! と言い…

本作をもって『仁義なき戦い』は完結です。

深作欣二『仁義なき戦い 頂上作戦』 警察の捜査を受ける打本組の事務所(タクシー会社なのですが)。 第4作。これまでは土着のヤクザとナアナアで癒着しきっていた警察も、抗争がエスカレートしてしまい、東京オリンピックを開催するという国際的な体面もあ…

ココからが本格的なお話になります。

深作欣二『仁義なき戦い 代理戦争』 高度経済成長期に入って、神戸のヤクザ明石組(つまり、山口組という事です)まで介入してきてますます抗争が複雑化しエスカレートしていく、第3作目。 本作は、呉港でしょうもないシノギしかできておらず、ジリ貧になっ…

菅原文太出番少なめですが、面白いです。

深作欣二『仁義なき闘い 広島死闘編』 またしてもオープニングが原爆投下! 広島の村岡組と大友組のサグライフ&バイオレンスを中心に描く第2作。 深作欣二の演出は相変わらずハイヴォルテージで役者たちは実に嬉しそうに画面狭しと暴れ回っております。 ア…

トランプ大統領就任を祝しまして。

ロバート・ゼメキス『バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作』 ドナルド。という大統領が共和党から誕生したことを記念して(?)、かなり久しぶりに見たくなりました(注、前回は「ロナルド」でしたね)。 今見ると、マイケル・J・フォックスちゃんの可愛ら…

タワーレコードへの愛に満ち溢れたドキュメンタリー。

Collin Hanks『All Things Must Pass』 タワーレコードの栄枯盛衰記をひたすら草創期の人々の証言を中心に巧みに構成されたドキュメンタリー。 なんと、最初はドラッグストアの一角で、中古のシングル売ってたのが始まりだったんですね。 それが、アメリカ西…

今見ると、むしろ現実がこれに近づいている気が。

マーティン・スコシージ『タクシードライバー』 このオープニングの映像が素晴らしい! 久しぶりに見ました。 最近のスコシージの作品は特に見る気は起きませんが、コレはホントにインパクトのある作品でしたたな。 今考えてみると、ヴェトナム戦争によるPTS…

『男はつらいよ』に接近した異色作。

鈴木則文『突撃一番星』 『トラック野郎』の第7作目。 実は結構異色作でして、今までは必ず、ボルサリーノや子連れ狼のようなライバルのトラック野郎が出てくるんですが、この回は出てきません。 せんだみつお(笑)。 その代わりに、せんだみつおや川谷拓三…

雑な作りが返す返すも残念!

山口和彦『女必殺拳』 志穂美悦子の名を世に知らしめた、「女必殺拳シリーズ」の記念すべき第1作。 監督が鈴木則文と思っていたら、彼は脚本のみで参加してるんですね。 千葉真一率いるJACの名の名声を「サニー千葉」とともに世界中に轟かせたの功績は決し…

鈴木則文が今ほど求められている時代はない。

鈴木則文『桃次郎男一匹』 テーマ曲は阿木燿子と宇崎竜童のコンビ https://youtu.be/S2X0P4TuE44 おなじみ、『トラック野郎』第6作目。以前も同じ事書いてますけども、このシリーズはどこから見てもいいですし、全部面白いです(笑)。今回の舞台は佐賀、鹿…

復活の日

片渕須直『この世界の中心に』 大楠公飯を食す名シーン。 見てから読むか、読んでから見るか。 は、角川映画が生み出した最高のキャッチコピーであるが(そして、どれだけの人を失望させたのか)、私は、「読んでから見る」を実践しました。 よって、本作の…

今見ても驚いてしまう傑作アクション西部劇

ハワード・ホークス『リオ・ブラボー』 すごい。 冒頭4分間一切セリフなしで、お話しの構図を全部説明しつくしてしまう圧巻の編集とカメラワーク! 別に派手な動きは一切ないのに、なんですかね、このカッコよさ。 アル中で文無しフラフラのディーン・マーテ…