青春映画

香港というアジアの楽園を撮った快作!

陳果(フルーツ・チャン)『香港製造Made in Hong Kong』 1997年に香港が中国に返還される年に公開された、いわゆる「返還三部作」の第1作目。 香港映画の魅力は、やはりというか、あの香港というカオス的な空気感が画面の中に見事に捕らえられている事であ…

永遠の映画少年の遺作にしてまたしても問題作!

大林宣彦『海辺の映画館キネマの宝箱』 いやもう、圧倒されました。 大林宣彦は長編デビュー作『HOUSE』から常に問題作を作り続けていたんですけども、遺作までもが問題作とは! およそ、その穏やかなタイトルからは微塵も読み取れないような、躁病的な実験…

3つの世代を通じて描かれる、韓国現代史!

キム・ボラ『はちどり』 長編第1作との事ですが、普通、処女作というのは、やったるぞ感となんでも盛り込みすぎ気味をどんな監督でもやってしまうものですが、この風格と余裕と完成度には相当度肝を抜かれましたね。 キム・ボラ監督。 1994年の夏から秋にか…

レノンとモローによる『シン・突然炎のごとく』

グレタ・ガーヴィク『Little Women』 この原題でないと、ラストの意味が失われるので敢えてこうしました。 幾度となく映像化されてきた、ルイーザ・メイ・オルコット『若草物語』の映画化。 何の予備知識もなく見始めた最初の印象は、正直、 「なんだかいそ…

カーニー監督は「ココロのマッサージ師」である。

ジョン・カーニー『シング・ストリート』 日本での劇場公開3作目ですが、カーニーは一作も外れなく、すべてオススメですね。もうとにかく素晴らしいという他ない。 アイルランド出身でダブリンを舞台する作品でどれも低予算なのですが、青春映画としてすべ…

峰岸徹オンステージな痛快作!

大林宣彦『ねらわれた学園』 2020年に惜しくも亡くなった大林宣彦の角川映画の痛快青春映画。 『時をかける少女』が余りにも有名で、その陰に隠れてしまった感がありますがこちらも傑作です。 眉村卓の、現在で言うところのラノベを原作としますが、コレも筒…

まさかのエリントン映画でした!

ミシェル・ゴンドリー『うたかたの日々』 ボリス・ヴィアンの同名小説を、天才PV監督が忠実に映画化。という説明で実はすべてが完結している映画だと思います(笑)。 それでは味も蓋もないので、もう少し説明いたしますが、ビョークが世界的な大スターにな…

『シン西部戦線異状なし』と言ってよいでしょう。

ピーター・ジャクソン 『They Shall Not Glow Old』 ピーター・ジャクソンと言えば、かの『指輪物語』3部作という、空前の大作を作り上げまた監督ですが、もともとはB級ホラー映画を撮っていたニュージーランド人監督でした。 そんな彼がトールキンの世界的…

少年時代の美しさを描いた超大作!男の子は必見です!!

セルジオ・レオーネ『Once Upon A Time In America』 現行版はレオーネ監督が最終的にオーケーしたバージョンで、なんと、3時間50分もある大作です。 ニューヨークのユダヤ人ゲットー中心としたお話しです。 セルジオ・レオーネは、『Once Upon A Time In〜…

ノーザン・ソウルを知らなくても充分楽しめる青春映画の逸品!

エレイン・コンスタンティン『ノーザン・ソウル』 鬱屈したイングランドの街。 面白かった! 最高でした! ソウルへの愛に満ちた傑作!! 1970年代の、財政が慢性的に悪化して経済が停滞しまくっていたイギリスのドンヨリした感じがホントに素晴らしかった。…

角川アイドル映画と思ったら、とんでもないしっぺ返しを食らいますぞ!

大林宣彦『時をかける少女』 この映画を彼女の引退作品とするつもりが大当たりしてしまいました。 筒井康隆原作の小説の映画化(結局、筒井作品で未だにコレが一番有名なのでしょうか?) 原田知世初主演にして角川映画。という所に苦手意識が猛烈に上がりま…

この異様なまでのエナジー!!

岡本喜八『ダイナマイトどんどん』 アメリカにロバート・アルドリッチがいるが、わが日本には岡本喜八がいる! 出だしの菅原文太たちの暴れっぷりを見てくださいよ! 胸がスッとしますよね。 これが映画ってモンです。 昭和25年。 未だGHQが日本を占領統治し…