2017-01-01から1年間の記事一覧

スゲエわ、アントニオーニ(笑)。

ミケランジェロ・アントニオーニ『L'eclipse』 オープニングがいつもカッコいいんですよね、アントニオーニは。 邦題は誠に不愉快! 『暴力脱獄』(原題Cool Hand Luke)と並ぶ、最悪邦題と言ってよい(このタイトルのせいで、ツタヤでは、アクション映画のコ…

『地獄の黙示録』と『キングコング』をマッシュアップ!

ジョーダン・ヴォート=ロバーツ 『キングコング 髑髏島の巨神』 完全に『地獄に黙示録』(笑)。 あまりのデカさに呆然! すごい!ブラックサバス「パラノイド」が爆音でかかる中を髑髏島をヘリで爆撃(一応、地質調査してるのですが・笑)! 面倒な前フリ…

『ツインピークス』の要素はここにすでに出来上がっていました。

デイヴィッド・リンチ『ブルーベルベット』 オープニング。青いカーテンを赤くしたら、ブラック・ロッジですよね。 コレはホントに何度見たのかわからないほど見ましたね。 リンチの作品で一番好きな映画は何ですか?と言われるとやっぱりコレです。 彼の作…

アントニオーニ作品としては、見やすいですよ。

ミケランジェロ・アントニオーニ『夜』 白黒で無機的には映し出される高層ビル群が不穏で美しい。 末期ガンの友人のお見舞いにいく、マルチェロ・マストロヤンニとジャンヌ・モロー(結局、友人は亡くなってしまいます)。 マストロヤンニは白黒がホントに似…

今見ると、SF映画のようにも見える傑作。

ミケランジェロ・アントニオーニ『赤い砂漠』 不気味なオープニング。 オープニングが醸し出すコワサが尋常ではありません。 SF作品ではないと思いますが、映像からビンビン伝わるディストピア感がものすごいものがありますね。 ホテルの廊下もアントニオー…

ゴダールはストーンズに興味ないです(笑)。

ジャン=リュック・ゴダール『ワン+ワン』 みんな若いですね。 一見、ローリング・ストーンズの名作アルバム、『べガース・バンクェット』のメイキング映画見たいな体裁ですけども、ゴダールはローリング・ストーンズにも興味なさそうというか、ロックのこ…

フェリーニの『アマルコルド』へのオマージュ作品ですね。

ウディ・アレン『レディオデイズ』 一応、このユダヤ系の家庭を中心に描かれます。 「レディオを聞くなんて、なんてケシカラン!」 この「レディオ」に「テレビ」や「ゲーム」、「インターネット」を代入すると、おんなじことが言えると思いますけども、アレ…

「正しい」とはなんでしょうね。

ヴェルナー・ヘルツォーク『カスパー・ハウザーの謎』 実際、このような姿で広場で発見されたのだそうです。 原題を訳すると、「人は皆ひとりぼっちで、神はそれを救わない」なのですけども、コレでは何だかわからないという映画会社の判断で、謎の多い実在…

妄想に取り憑かれた男の狂気!

ヴェルナー・ヘルツォーク『アギーレ、神の怒り』 この異様なオープニングの構図がすごいですね。ヘルツォークの才能を感じます。 ヘルツォークは一貫して、異形、辺境を描き続ける監督ですが、今回は、16世紀の南米です。 南米を舞台にした作品はこれ以外に…

かなりアヴァンギャルドな作品です。

木下恵介『日本の悲劇』 ヤミ米の取り引きをしてでも子供を養おうと必死な春子。 大島渚は若い頃は怒りに満ち満ちた映画を数多く作りましたが、当時、松竹で最も人気のあった監督であった木下恵介が作った、まさに「怒りの映画」です。 木下恵介の作品の作品…

えっ。。とその場に置き去りにされてしまいます。

ミケランジェロ・アントニオーニ『欲望』 1960年代のロンドンをこんな冷たいタッチで描いた監督はいないでしょう。 なんでしょうね。 どのシーンも何かガランとした印象です。 ロンドンの街中を写そうと、室内を写そうと、常にガランとしているんですね。 こ…

現代のクールな鳥獣戯画

セス・マクファーレン『Ted』 日中はマリファナばかりやっているどうしようもないぬいぐるみ。 コレは予想以上に面白かったですあ。 クマのぬいぐるみを使った毒にも薬にもならないどうしようもない映画の体裁を敢えて取りながら、その実は大変ブラックコメ…

コレも完全版が見たいですねえ。

ベルナルド・ベルトルッチ『ラスト・タンゴ・イン・パリ』 衣装と撮影が素晴らしい作品でした。 日本で発売されているDVDでは「完全版」と書いてますが、ご存知のように、完全版は4時間近い大作です。 残念ながら、このバージョンを見る事はどの国もできな…

静かな余韻が心地よい名品。

バリー・ジェンキンス『ムーンライト』 バリー・ジェンキンスは、わずか長編2作目にして、アカデミー作品賞となりました。 いやー、沁みました。 予想をはるかに超える出来栄えでホントに驚きです。 こんな繊細な映画を撮るアメリカ人監督がいるんですなあ…

衝撃/笑撃のラスト!

ルイス・ブニュエル『皆殺しの天使』 オペラ鑑賞の後の楽しい晩餐の筈が。。 メキシコ時代にブニュエルはたくさんの映画を作りましたが、これもその中の1つ。 フェリーニがこういう映画を作ったら、当然、ニーノ・ロータの音楽がついていて、シルヴァーナ・…

恐るべし、韓国映画!

パク・チャヌク『お嬢さん』 原作は19世紀のイギリスですが、日本植民地下の朝鮮のお話に置き換えられています。どこかヴィスコンティ的な発想ですね。 ド変態監督(褒め言葉ですよ、念のためですが)、パク・チャヌクがまたしても変態ぶりを爆発させた大作…

呆気にとられる大ベテランの快作!

イエジー・スコリモフスキ『11ミニッツ』 老いて益々盛んというか、作品が全く老成するどころか、若返っているのでは?というスコリモフスキの新作。 ロマン・ポランスキの名声と比べるとなぜか日本では今ひとつ知られていないスコリモフスキ。 またしてもた…

低温映画。という新しいジャンルなのではないか。

カルロス・ベルムト『マジカル・ガール』 この冒頭に出てくる2人が誰なのかは見ているとわかります。 何やら、日本のアニメへのオマージュがあるスペイン映画だときいて見てみたら、ものすごい映画でありました。 敢えて近いものを提示するのなら、ペドロ・…

記念すべき200本目は、ケン・ローチ!

ケン・ローチ『私はダニエル・ブレイク』 永年のキャリアを持ちながら、それに反比例する日本での知名度の低さはまことに腹立たしい限りですが、ケン・ローチ監督はコレに対して淡々と作品を作り続ける事でしか答えないところがまた彼らしいですね。 彼の作…

打ちのめされましたね。。

エドワード・ヤン『牯嶺街少年殺人事件 A Brighter Summer Day』 私はコレをVHSで見たんですが、残念な事に画面が不鮮明で、夜の場面が多い映画なので、夜のシーンが悲劇的なまでによく見えず、作品の価値が半分以下になっていて、余り楽しめませんでした。 …

全国のお父さんを100%号泣させたであろう、大傑作!

原恵一『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』 いきなり、太陽の塔! オープニング曲のトースティングがなかなか素晴らしいんですけども、コレもまた天才原恵一の名を世に知らしめた名作です! 春日部にこんなトンデモな施設ができてま…

東映が日活アクションを撮った感じでしょうかね。

中島貞夫『現代やくざ 血桜三兄弟』 冒頭のレアグルーヴ感満点のサントラ(なんと山下毅雄のさっきです)から、やくざ映画と思えないノリです。 まだ、あの『仁義なき戦い』が作られる前のやくざ映画は、まだまだ過渡期というか手探り状態だったのだと思いま…

地獄の黙示録を超えました!

富田克也『バンコクナイツ』 映画制作集団、空族(くぞく。と読みます)による3時間を超える大作。 「Bangkok, Shit....!」 まさか冒頭が、『地獄の黙示録』のパロディから始まるとは(チョイチョイ、パロディが入ります。ワルキューレの騎行も流れますから…

國村隼、コワい!!!!

ナ・ホンジン『哭声』 娘にカーセックスを見られてしまう、しがない田舎の警察官が主人公なのだ(笑)。 國村隼が褌一丁で森の中を走っている映画! 私が本作について知っていたのは、それだけです(笑)。 それにしても、見終わった後、全く言葉がないです…

渡瀬恒彦、松方弘樹追悼。

中島貞夫『実録外伝 大阪電撃作戦』 オープニングクレジットの写真を見てくださいよ(笑)! ワルい顔ばっかりです! 深作欣二は、『仁義の墓場』というある意味行き着くところまで行き着いた実録ヤクザ映画を撮ってしまいました。 しかし、実録モノは、中島…

オリンピックってなんだっけ?

ヒュー・ハドソン『炎のランナー』 ヴァンゲリスの音楽と映像が一体化! 本作は戦後であり、そして、戦前でもある1924年のオリンピックパリ大会を描いた、実話に基づいたお話です。 ホントにジェントルマンシップが満ち溢れていた頃のオリンピックというもの…

ストーリーは言えねえ言えねえ。

パク・チャヌク『OLDBOY』 復讐の鬼と化す、オ・デス。 狩撫麻礼の原作を韓国の映画監督が映画化。 昔だったら、こんな事考えられなかったけども、それだけ日本の文化が韓国でも受け入れられているんですね。 とにかく驚きの連続。 15年間も一体どういう理由…

渡哲也が破滅的なヤクザを凄絶に演じる。

深作欣二『仁義の墓場』 『仁義なき戦い』の大ヒットを受けて作られた、東京実録ヤクザ作品。 戦後の闇市(ここでは新宿の闇市です)を舞台とするヤクザの抗争であり、キャスティングも一部かぶります。 しかし、本作が『仁義なき戦い』ほど持ち上げられない…

偉大な芸術家の死を悼む。

鈴木清順『ツィゴイネルワイゼン』 死人のようなのに、一番元気に動き回る、原田芳雄。 初めて見た時の衝撃は未だに忘れられないですね。 初めて見た清純の作品は『けんかえれじい』で、高橋英樹のほとんど初主演くらいの作品だったと思いますが、はち切れん…

またしても映画ではないですが(笑)。

渡辺信一郎『カウボーイ・ビバップ』 タイトルからして、好きなものを2つ組み合わせるという「お子さまランチ感」が満点だ。 とにかく唖然とするほど、好きなものをぶっこむだけぶっこんでいる、この圧倒的な情報量。 ブルース・リー、タランティーノ、ジョ…