映画

ハリウッド史上初のドラッグムービー!!

ヴィクター・フレミング『オズの魔法使い』 MGM黄金期、即ち、ハリウッド黄金期の映画ですが、恐らくは史上初めての主演がドラック中毒状態のまんま画面に映っているという、サイケデリック映画の映画でもあります。 ジュディ・ガーランドはダイエットさせる…

タイトルが何とも皮肉です。

イェジィ・スコリモフスキ『エッセンシャル・キリング』 名前は知っているけど、作品は見たことないですね〜。の頂点に君臨すると思われる、スコリモフスキの今のところの最新作。 ロマン・ポランスキらと「ポーランド・ヌーヴェルヴァーグ」を担った気鋭の…

アルファビルとブレードランナーをつなぐ傑作

ライナー・ウェルナー・ファスビンダー『あやつり糸の世界』第1部、第2部ものすごくペースで映画を撮りまくり、しかも、同時に舞台の演出までやり、太く短い人生を送った、ファスビンダーのSF大作がようやく公開と相成りました。3時間をゆうに超える作品で…

トリュフォーは初めからトリュフォーだった。

フランソワ・トリュフォー『あこがれ』無名時代のトリュフォーが撮った短編。まるで、ジャン・ルノワール『ピクニック』がモダンになって帰ってきたかのような瑞々しさに驚いてしまう。この自転車で町を駆け抜けていく女性の姿を撮る冒頭シーンに、その後の…

ゴダールとトリュフォーが競っている時代の作品。

フランソワ・トリュフォー『ピアニストを撃て』この頃のトリュフォーは、ゴダールやマルと競うように過激で挑発的な手法を競っていた所がありますが、本作は、まさにその時代(それが即ちヌーヴェルヴァーグなのですが)を象徴する作品。シャルル・ゲンズブ…

こんな風にマグロを獲ってたのか。。

相米慎二『魚影の群れ』吉村昭原作の短編を映画化。相米監督のあり方は、小津安二郎とは真逆ですね。小津は、役者対して、「何もしなくていい」とか「考えるな。ただセリフを話してくれればいい」と言っていたそうです。しかし、実際完成した作品では、皆、…

最後にドキリとさせられる破壊的コメディ

ルイ・マル『地下鉄のザジ』 随所に遊びを散りばめた、ルイ・マルのの傑作。 室内でのカメラワークがいちいちものすごく凝っていて、ものすごく騒々しい。 コマ飛び画像やコマを抜いてサイレント映画みたいな動きになるシーンが頻繁。 ぶっ飛んだママがパリ…

大嫌いです。

ジョシュア・オッペンハイマー『アクト・オブ・キリング』アクト・オブ・キリングの手法は、ドキュメンタリーとしての倫理に反していると思う。やっていることは、ミルグラム『服従の心理』と同じ。心理学をある程度知った上であの手法を考案したのだろうけ…

この人の映画は好き嫌いが分かれますね。

サム・ペキンパー『ワイルドバンチ』言わずと知れた、天下の無法者監督が撮った、破格の西部劇。コレを以って、ジャンルとしての西部劇は終わったと言っても過言ではない破壊力満点の映画で、そのバイオレンス表現はその後の様々な映画に多大な影響を与えた…

これぞ成瀬映画!

成瀬巳喜男『女が階段を上がるとき』おお、コレも音楽が黛敏郎!『お早う』、『幕末太陽伝』、『赤線地帯』と、このころの黛敏郎の映画音楽での仕事はものすごく充実してますね。明らかに、MJQを意識した作曲をしてます。フランス映画をよく研究してしていた…

増村保造の出発点でもある溝口健二の遺作。

溝口健二『赤線地帯』美術水谷浩、撮影宮川一夫、音楽黛敏郎。惚れ惚れするようなスタッフザマス。。オープニングの音楽がなかなかぶっ飛んでますなあ。助監督には、我らが増村保造。溝口健二は、アレレ?という映画も結構あるんですけども、すごい作品は桁…

こんな破天荒なドキュメンタリーはないでしょうね。

原一男『ゆきゆきて、神軍』先日、亡くなった水木しげると本編の主人公、奥崎謙三には共通点があって、それは、太平洋戦争でともにパプア・ニューギニアに派遣され、そこで生死を彷徨った(水木は左腕を失い、奥崎は右手小指を失う)。無論、二人のその後の…

映画館で見直したいなあ。

相米慎二『台風クラブ』。こりゃたまげた(笑)。今だったら、絶対許されないでしょうね。もしこれを現在制作したら、相米監督だったら、映倫通さないで上映するでしょうが。相米がこういうスタイルを確立したのかはわからないけども、アンゲロプロスのそれ…

ヒップホップ映画ではありません。

園子温『Tokyo Tribe』えー、疲れました(笑)。登場人物が多すぎて、掴みにくいです。要するにネオ・番長ムービーのサントラがヒップホップというだけで、それだったら、『ビーバップ・ハイスクール』の方が面白かったなあ(原作はどうも好きになれなかった…

ひとまずのウディ・アレンの集大成作品。

ウディ・アレン『ハナとその姉妹』『アニー・ホール』以後の彼の作品の総決算と言ってよい作品。とにかく、圧倒的にうまい。脚本、配役、キャメラ、編集、音楽がもうこれ以上ない時くらいに素晴らしい。強迫観念のように死を恐れるウディ・アレンのシーンに…

たけちゃんのツヤツヤぶりを見て欲しいですね!

大島渚『Merry Christmas, Mr. Lawrence』 日本軍のキャスティングがすごいです。 ビートたけし、坂本龍一、内田裕也ですよ。 そりゃ、イギリスに負けるわけですね(笑)。 原作は、この映画でもメインキャストになっている「ローレンス中佐」である、ローレ…

三島由紀夫がヤクザ映画の主演!

増村保造『からっ風野郎』な、なんと、当時人気作家だった、三島由紀夫(チャーリー・パーカーに似てます)が、ヤクザ役で主演という恐るべき作品。現在の状況に、コレに類する事がないですよね。三島由紀夫。という人は、それだけ桁外れなカリスマ性がある…

タルコフスキーはホンモノの芸術家ですね。

アンドレイ・タルコフスキー『アンドレイ・ルブリョフ』ロシアに実在したイコン画家である、アンドレイ・ルブリョフ(1360頃〜1430)の生涯を描く、タルコフスキーの大作だが、彼の事跡はよくわからないところが多いので、様々なエピソードをつなぎながら、…

よくやった!キートン!!

バスター・キートン『セブン・チャンス』全盛期のバスター・キートン主演監督作。中学から高校にかけて、チャップリンの映画が好きでよくVHSを借りて見ていたんですが(『街の灯』は未だに忘れられない映画ですね)、キートンは見てなかったんですね。しかし…

天才モリタのデビュー作

森田芳光『の・ようなもの』天才モリタのデビュー作ですが、この人は最初からぶっ飛んでますなあ。主人公は冴えない落語家、志ん魚(しんとと。と読みます)ですが、この空っぽな喋り方は一体なんであろうか。しかも、微妙に噛み合わない。この主人公の喋り…

要再評価の戦争映画!

増村保造『赤い天使』いきなり若尾文子が傷病兵たちにレイプされる冒頭に唖然。。更に、前線に派遣されて、脚や腕を局部麻酔だけで切り落とすのを押さえつけるといったなかなかキツい仕事に従事。このシーンはなかなか凄惨。当時の映画のギリギリじゃないで…

昭和後期がバッチリ映ってますよ!

クロード・ガニオン『Keiko』大阪万博の時にカメラマンとして来日し、そのまんま居ついてしまったカナダ人が撮ったという、なかなかトンデモない映画。ガニオンは現在はカナダに帰国して、相変わらず映画を撮ってるのですが、ATGで制作されたこの長編第1作…

今見ても驚くような作品。

ウディ・アレン『アニー・ホール』大学の時に見て以来、久々に見直してますが、最近のウディ・アレンの映画と比べるととてつもなくアクが強い作品ですよね。もう、ウディは監督に徹してますが、この頃の作品は自ら主演する作品が多く、ウディ・アレンの神経…

コポラを破滅寸前まで追い込んだ作品。

フランシス・フォード・コポラ『地獄の黙示録』。余りにも有名な作品なんで、説明するのもはばったくなりますが、コポラは、最後のクレジットが一切ないラストを考えていたそうです。私がかつて見たVHSでは、最後にウィラード大尉が、空軍に無線連絡して(そ…

ちょっと視点を変えると。

ダン・ギルロイ『ナイトクローラー』昨年見逃していて、ようやく見ました。コレは、めちゃくちゃ面白かったですね。昨年の封切りでは、ゴダール『さらば愛の言葉よ』イニャリトゥ『バードマン』ジョージュ・ミラー『マッドマックス』が、飛び抜けてよかった…

小津安二郎の隠れ名作

小津安二郎『お早よう』小津の作品としては、あまり脚光を浴びてませんけども、コレ、なかなかの隠れ名作だと思います。本作は、小津が戦前に得意としていたコメディと戦後のスタイルを混交させたという、ちょっといつもと違う作風でして、そういうことで、…

こんなのを戦時中に作っている国と戦って勝てるわけないですね。

エルンスト・ルビッチュ『天国は待っててくれる』ルビッチュの初カラー作品。日本での公開はなんと、1990年になってから。何といううまさ。余りにもうまいので驚いてしまう。地獄に行くのか否かの審査を受けている男が人生を回顧する。という、『トムとジェ…

相変わらず増村は切れ味が抜群!

増村保造『妻は告白する』若尾文子、こわい(笑)!しかし、これぞ女のホンネ!!清々しいです!!しかし、やはりこわいです!!薬学部に通っている貧乏学生であったあややが、ゼミの助教授のマッチョなおっさんに無理やり結婚されられたあややが、旦那の趣…

圧倒的な大作!!

内田吐夢『飢餓海峡』 最近スッカリ見なくなりましたね、こういう字体。 水上勉の代表作と言ってよい小説の映画化。 始めた見たのは、VHSで、一般公開版のかなりカットしたバージョン(167分)でしたが、現在出ているDVDは、3時間バージョンでして(内田が…

肝心なところは見せない。

ロマン・ポランスキ『ローズマリーの赤ちゃん』正直申し上げると、あんまりホラー映画は好きではないです。しかし、監督がわれらがロマン・ポランスキ。この人の、どこか巨匠になりきれないB級感覚がとても好きで、結構好きな監督なんですが、音楽を担当し…