この人の映画は好き嫌いが分かれますね。

サム・ペキンパーワイルドバンチ

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言わずと知れた、天下の無法者監督が撮った、破格の西部劇。

コレを以って、ジャンルとしての西部劇は終わったと言っても過言ではない破壊力満点の映画で、そのバイオレンス表現はその後の様々な映画に多大な影響を与えたが、チョウ・ユンファ主演の『狼たちの挽歌』シリーズは、その最大のオマージュ作品と言えるだろう。

時代設定が西部劇にしては新しく、1913年のメキシコ革命時代のお話しなのもかなり異色で、次回作の『ケーブル・ホーグのバラード』も20世紀初頭を舞台とする西部劇となっている。

その意味でもホントの西部劇の終わりを描いてもいる。

実在した強盗団である「ワイルドバンチ」という名前こそいただいてはいるものの、史実とは特に関係のない、そろそろ引退も考え始めている強盗団の凄絶なる顛末が描かれているが、まず、なんと言ってもキャスティングが素晴らしい。

ワイルドバンチのリーダーを演じるのは、1950年代のハリウッド黄金期に活躍したウィリアム・ホールデンというのが驚く。

プロデューサーとケンカをして、撮影を放棄してしまい、しばらく干されていたような監督の作品に、大物俳優が出演している事に自体が驚きであり、行動に問題がありながらも、やはり、その才能に惚れ込んで出演してしたのであろう。

他のアーネスト・ボーグナインウォーレン・オーツ、ベン・ジョンスンらは、いかにもペキンパーの映画に出てきそうな顔の人たちなのですが(笑)、この、ウィリアム・ホールデンが強盗団のリーダーというところが面白く、ホールデンの演技はホントに見事ところがしか言いようがない。

その意味で、この映画が単なるバイオレンスだけがウリなのではなく、その圧倒的なクライマックスに持っていくための筋立てがよくできており、強盗団やメキシコの政府軍たちのキャラの素晴らしさがあってこそなのである。

事実、『ケーブルのバラード』では、アクションシーンがほとんど出てこない西部劇であり、バイオレンスがなくとも素晴らしい映画を撮れる事を証明して見せてもいる。

また、まるで女性をモノのように扱うシーン満載である『ワイルドバンチ』に対して、『ケーブル・ホーグ』でのペキンパーの女性に対する眼差しは大変優しく、ペキンパーを「女性蔑視の監督」と呼ぶのは余りにも一面的すぎる。

余りにも有名な作品ゆえ、内容にはほとんど立ち入らなかったが、とにかく見る事をオススメする。

現在も西部劇は時折制作されるが、面白い事にその大半がペキンパーかセルジオ・レオーネの影響下にある点は指摘してもよいと思う。


言わずと知れた、天下の無法者監督が撮った、破格のバイオレンス西部劇。

コレを以って、ジャンルとしての西部劇は終わったと言っても過言ではない破壊力満点の映画で、そのバイオレンス表現はその後の様々な映画に多大な影響を与えたが、チョウ・ユンファ主演の『狼たちの挽歌』シリーズは、その最大のオマージュ作品と言えるだろう。

時代設定が西部劇にしては新しく、1913年のメキシコ革命時代のお話しなのもかなり異色で、次回作の『ケーブル・ホーグのバラード』も20世紀初頭を舞台とする西部劇となっている。

その意味でもホントの西部劇の終わりを描いてもいる。

実在した強盗団である「ワイルドバンチ」という名前こそいただいてはいるものの、史実とは特に関係のない、そろそろ引退も考え始めている強盗団の凄絶なる顛末が描かれているが、まず、なんと言ってもキャスティングが素晴らしい。

ワイルドバンチのリーダーを演じるのは、1950年代のハリウッド黄金期に活躍したウィリアム・ホールデンというのが驚く。

プロデューサーとケンカをして、撮影を放棄してしまい、しばらく干されていたような監督の作品に、大物俳優が出演している事に自体が驚きであり、行動に問題がありながらも、やはり、その才能に惚れ込んで出演してしたのであろう。

他のアーネスト・ボーグナインウォーレン・オーツ、ベン・ジョンスンらは、いかにもペキンパーの映画に出てきそうな顔の人たちなのですが(笑)、この、ウィリアム・ホールデンが強盗団のリーダーというところが面白く、ホールデンの演技はホントに見事ところがしか言いようがない。

その意味で、この映画が単なるバイオレンスだけがウリなのではなく、その圧倒的なクライマックスに持っていくための筋立てがよくできており、強盗団やメキシコの政府軍たちのキャラの素晴らしさがあってこそなのである。

事実、『ケーブルのバラード』では、アクションシーンがほとんど出てこない西部劇であり、バイオレンスがなくとも素晴らしい映画を撮れる事を証明して見せてもいる。

また、まるで女性をモノのように扱うシーン満載である『ワイルドバンチ』に対して、『ケーブル・ホーグ』でのペキンパーの女性に対する眼差しは大変優しく、ペキンパーを「女性蔑視の監督」と呼ぶのは余りにも一面的すぎる。

余りにも有名な作品ゆえ、内容にはほとんど立ち入らなかったが、とにかく見る事をオススメする。

現在も西部劇は時折制作されるが、面白い事にその大半がペキンパーかセルジオ・レオーネの影響下にある点は指摘してもよいと思う。

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