ビーチ・ボイズ。というよりも、ブライアン・ウィルスンの伝記映画というべき映画でありまして、そうなると、ヒット曲量産時代のビーチ・ボイズはほとんどナシであります。
若い頃のブライアン(精神を壊してしまうまで)と中年のブライアン(インチキ精神科医に支配されている頃)を別の俳優が演じてまして、どちらも外見激似。ということには余り重きを置かない方針で演じてますが、中年演じるジョン・キューザックがだんだんブライアン・ウィルスンに似てくるのがすごいですよ。
役者というのはホントにすごいですね。
『ペットサウンズ』の製作過程を再現してるシーンは、たまらんモノがありました。
ブライアンの天才性がもっとも爆発していた時なのですが、父親はブライアンの才能を妬み、マイク・ラヴはヒット曲量産バンドじゃなくなることにゴネる。
ただただ、天才の息子の手枷足枷にしかならない。
カールとデニスはブライアンの精神が壊れていくのを止めることができない。
次作の『スマイル』の製作シーンはかなりコワイです。。
あと、インチキ精神科医がホントに憎たらしい人で(笑)。
ブライアンの狂気の世界を、音響を使うことで見事に表現した、非常に丁寧かつ真摯な伝記映画でした。