キム・ホンソン『技術者たち』
キム・ウビン演じる金庫破りがとにかく見事!
ジョン・ヒューストン『マルタの鷹』のように、体脂肪率が10%を楽々と切った、良質なタンパク質だけで見せてしまう映画はそうないですが(増村保造くらいでしょうね)、それがなんと、韓国映画にあるんですね。
タイトルが『プロジェクトX』みたいですけども、見事なクライムサスペンスで、1秒のムダのない構成力をもつ脚本に惚れ惚れとします。
主演のベネディクト・カンバーバッチを思わせる、韓国の大スターキム・ウビンが演じる天才金庫破りが素晴らしいです。
相棒のマサ斉藤みたいなコメディリリーフのおっちゃん(韓国映画が詳しくないもので、役者の名前がわかりません)と、天才ハッカーでヒップホップが好きな青年(韓国映画に詳しいないので以下省略)がまたいいキャラです。
こういう、華麗なテクニックで犯罪を行なっていく映画には、傑作が多いですけども、本作はその伝統を継ぎ、そこに更に内容的なアップデートまでしてしまった、昨今の韓国のエンタメ作品の中でも屈指の名作です。
うまいこと宝石を盗み出した3人。
この天才金庫破りトリオのとてつもない実力に目をつけた悪い社長さんたちが、彼らを拉致して、仁川湾にある、隠し資産の1500億ウォン(日本円で約150億円です)をセキュリティを破って盗み出そうというのが大筋です。
この面々を中心に1500億ウォンを盗み出すのだが。
これ以上は作品の性質上。実際に見ていただいた方がよいでしょう。
とにかく、伏線の張り方からどんでん返しの連発まで何から何まで完璧という域に達していて、見ている方はとにかく「うめー!」とただ感嘆し続けて、見続けるばかりです。
ココまで惚れ惚れと見ていられるクライムサスペンスというのは、そうないですよ。
ちなみに、ちゃんと「銭形警部」も出てきますよ(笑)。
とにかく呆れるほど面白くて、しかも、トム・クルーズ級の大スター映画でもあるという本作を是非ともご覧ください!