いきなり若尾文子が傷病兵たちにレイプされる冒頭に唖然。。
更に、前線に派遣されて、脚や腕を局部麻酔だけで切り落とすのを押さえつけるといったなかなかキツい仕事に従事。
このシーンはなかなか凄惨。
当時の映画のギリギリじゃないでしょうか。
ドンドン手足をきりおとしていって、あたり一面血まみれ。
助からない人はそのまま置き去りにして見殺し。
でも、この映画が公開されるわずか20年前にホントにあった光景なのですからね。。
しかも、こういうシーンを実にドライに描くのが彼らしい。
敢えて白黒で撮ってるのが、ますますコワイ。。
しかし、そんな地獄で天津の病院でレイプした坂本上等兵が瀕死の重傷で運ばれてきて、あややはバッタリ出会うのですが、これも結局死んでしまう。
増村の描き方は容赦がありません!
私も3年近く、めちゃくちゃな職場にいた事があるので(ブラックを超えた、ほとんど『北斗の拳』のような世界でした)、この修羅場の感じが1万分の1くらいわかります。
川津祐介演じる、両腕を失ってしまった兵隊が言い出すコトがとんでもなく(笑)、しかしながら、それに応えていくというものすごい展開です。
こんなぶっ飛んだ映画、デイヴィッド・クローネンバーグでも撮ってません(笑)。
戦争というものをこんな視点で描いたものは、ちょっとないのではないでしょうか。
前線にコレラが蔓延し、これから国民党軍が攻めこもうという時にすごいことが(笑)!
愛とは、戦争とは、平和とは。
ルキノ・ヴィスコンティもびっくりな反戦映画を是非ともご覧ください。要再評価。