今見るとちょっと古めかしいかな?
浦山桐郎『キューポラのある街』
私は、清く、正しく、美しい映画がニガテでございまして(『二十四の瞳』とか『ビルマの竪琴』ですね)、なかなかこの映画を見る気になれなかったのですが(笑)、たしかにそういう所はあるのがむず痒いですけども、朝鮮半島問題がさりげなく入り込んでいるのが、面白いですね。
しかし、浦山監督はあくまでも、子供の目線で描いているのが、安易な「清く、美しい」感に流れていかない所がさすがです。
父親の失業によって、高校進学が困難となり、定時制に行かざるを得なくなる小百合様。
東野英治郎は、全くどうしようもないガンコオヤジ(笑)!
ま、最後は経済的理由よりも、「自立」のために、定時制高校を敢えて選ぶんですけどもね。
子役たちの使い方も、ちょっと古さは感じてしまいますが、それでもうまいです。
そんな、今となっては結構ヤバい描写もある、高度経済成長期の川口市の子供たちを捉えた歴史的名編。
良くも悪くも吉永小百合様のイメージは、この作品で定着しましたね。
余談。
可能性として、ブルーノ・ワルター/コロンビア響が考えられるのだけども。
誰かわかる方、教えてください。