ディーン・パリソット『ビルとテッドの時空旅行』
驚きました。
前作『ビルとテッドの地獄旅行』が1991年です。
29年ぶりの続編ですよ(笑)!
しかも、主演のキアヌは今や大スターであり、もはやアホアホ映画に出るような人ではありません。
にも関わらず、本作の音頭を取ってくれたのは、なななんとキアヌのようなんです。
キアヌありがとう!
しかし、このインターバルがたしかに必要な内容で、寝かせておく必然性がありました。
それは見ると納得します。メイクとかではやはりダメですね。
3作すべて監督が違いますが、エド・ソロモンがすべて脚本を書いていおり、実はものすごく一貫性があり、実質的に彼のプロジェクトなのだと思います。
ビルとテッドはあのアホアホなまんま50代のおっさんとなり、相変わらず売れないミュージシャンのままで、世界を救う。とさせる曲はまだ書いてません。
あの2人が帰ってきました!ちゃんとおバカのまんま!
冒頭の結婚式での音楽性を見失った2人の演奏は、実は最高です(笑)。
むしろ、この方向性を追及していったら、良かったのでは。と個人的には思いましたが、しかし、「世界を救う」というあの大目的が成就はしないのです(笑)。
しかし、そんな彼らのもとに、またしても未来からタイムマシンが。
やはり、電話ボックスがタイムマシンです。
今回はキアヌが大スターになっているので、制作費が10倍くらいになっていると思いますけども、基本的なテイストはあのB級です(特に28世紀のシーンはカネがかかっているのに、ザルドス感が相変わらずですね)。
ムダに豪華な未来シーン。でも、安っぽいです(笑)
あと75分で曲を作れと。
第1作の前半に漂うウダウダした感じは、最初の10分もなく、実はいきなり宇宙全体の危機となり、それを解決するするのが第1作からの懸案事項であった、あの「世界を救う曲」なのです。
しかも、あと75分で作らないといけないという(笑)。
だいたい、映画の上映時間と合ってるのが笑えますが、この、どうやって客を作るのか。がタイムトラベルを1つの頓知ものに換骨奪胎したこのシリーズの真骨頂であり、このパワーと勢いは、かの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』よりもアイディアとしては遥かに面白いと思いました。
ココがめちゃ面白いので、一切ココには書きません。
コイツがなんなのかは見てのお楽しみ。
1つだけ書くとしたら、実はビルとテッドの解決策と真反対の解決法を考えているのが、この2人の娘さんたちなんです。
製作費が増えて一番良かったのは、キャスティングがちゃんとして、頓知の効いた脚本を活かせる撮影シーンが増えた事と、もう一つの主演コンビである、娘たちがとてもよかったことです。本作のMVPはこの2人です。
この2人はロクに働かずに音楽ばかり聴いている、かなりの音楽性マニアです(それはこの2人の界隈にさりげなく出てきます)。
ビルとテッドはアホなのですが、妙な頓知があり、それだけで乗り切ってしまう、努力と根性が全くない2人なのですけども、娘たちは、この頓知を受け継いでいて、しかも、賢いんです(笑)。
デイヴ・グロールがカメオ出演します。どこなのかはお楽しみに!
ちなみに、若干ネタバレさせますと、地獄がまた出てきます。
なぜまた地獄なのかは見てのお楽しみ。
何があるのかは言いませんけど。
コレは狂言でもなんでもなく、2020年の新作ベストは、コレです。
それくらい良かったですね。
今ひとつと評価された第二作目も、本作によって救われている側面があります。
この作品から見ても十分面白いですけども、できれば、前作は見といた方が感動が更に倍増する事をお約束します。必見!
お約束のあんまり似てない有名人が今回も(ココがチープなのがわかってます!)。
チープとカネかけているシーンのバランスが絶妙です!