ピーター・ハイアムズ『カプリコン1』
火星へ向けて打ち上げられる花火られる「カプリコン1」
コレは面白かった!
70年代のアメリカ映画は私の好みにバッチリ合いますが、コレも最高でした。
本作はNASAの宇宙開発をめぐる、とんでもないヤラセ事件(実際にあったわけではないですよ)を描いた作品ですけども、そのヤラセ計画がすごいわけです。
ロケットの打ち上げというのは、莫大な国家予算が必要なんですけども、コレを継続させるために、火星への着陸計画をでっち上げて、大統領ならびにアメリカ全国民を騙すという、計画なんですよ。
三人の宇宙飛行士。
巨大なヤラセ計画に巻き込まれてしまう三人。
しかし、この計画がひょんなところからほころびが出てくるんです。
そこからのサスペンスが、CGもインターネットもない時代だと、こんなに大変なのだ。という事が、実に丹念に描かれていいるんですが、本作は、まず、この脚本の面白さ、大胆な構想ですよね。
もう、それで80%は勝ちですが、そこに説得力を持たせるアクションの面白さです。
このアクションをないがしろにしてしまっては、全くもって面白くもなんともない作品になってしまいますよ。
CGがない時代はホントにクルマを走らせ、飛行機を飛ばし、かつ、映画的な迫力を演出していかなくてはならないので、ホントに大変なんですけども、そこの手抜きが全然ないですね。
巨大な渓谷の中をヘリコプターと複葉機がホントにチェイスでございます!
ホントに飛んでいる飛行機にしがみついております!
私が個人的に一番よかったシーンは、新聞記事のエリオット・グールドがやれやれと自宅に戻ったところにいきなりFBIが操作に乱入するところで、コレはホントにうまかったなあ。
アメリカ映画の非常に良質なエンターテイメントを堪能させてもらった逸品でした。
ヤラセ計画を暴こうとする、エリオット・グールド。後ろにいるのは、テリー・サバラスです。