『男はつらいよ』に接近した異色作。

鈴木則文『突撃一番星』

 

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『トラック野郎』の第7作目。

実は結構異色作でして、今までは必ず、ボルサリーノや子連れ狼のようなライバルのトラック野郎が出てくるんですが、この回は出てきません。

 

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 せんだみつお(笑)。

 

その代わりに、せんだみつおや川谷拓三がその役に近いことを分担して行います(2人ともトラック野郎ではありません)。

 

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なんと、真珠の研究をしている川谷拓三!

 

マンネリを打破しようとしているのでしょうか、冒頭にUFOが出てきます(笑)。

 

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飛びます!

 

当時、『未知との遭遇』大ヒットしたり、多分、ユリ・ゲラーの超能力ブームだったこともあり、鈴木則文は、とにかくサービス精神の塊なので、すぐに飛びついて、本作に取り込んでしまったのでしょう(笑)。

マドンナ役は、イルカの飼育員の原田美枝子ですが、圧倒的存在感愕然あるのは、樹木希林です(一応、イルカを研究しているのです・笑)。

 

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樹木希林は若い頃から異彩を放っていた。

 

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 健康的なエロスを放つ原田美枝子

 

当時の彼女はかなり若いと思うのですが、もうすでに怪優としての存在感は生半可ではありません。

今回の舞台は三重県の志摩と岐阜県の高山です。

全体的に人情話のトーンが強く、いつもよりおとなしめですけども、そのかわりドラマがとてもよくできていて驚きます。

とはいえ、相変わらずのお下品なエロと笑いは健全です。

この路線をやり続けていたら、もしかすると、『男はつらいよ』のような長期シリーズになった可能性もあった、ある意味、転換期となった作品。

 

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