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コレがなければ、あの『キル・ビル』はなかった!

映画

藤田敏八修羅雪姫

 


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明治6年に起こった「血税騒動」(後述)の混乱時に殺害された新任の小学教員一家殺害へのかなり複雑な復讐譚。

原作は小池一夫上村一夫によるマンガです。

梶芽衣子演じる刺客、修羅雪。時代劇というよりも、マカロニ・ウェスタンを思わせる残酷な殺陣と極端な人工美のアンバランスが、絶妙なバランスで成立しています。

 

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刺客としての仕事!

お、高木均が出てるのが、泣けるではありませんか。

えっ、誰?とおっしゃるアナタ。

銀河鉄道999』のテレビアニメのナレーションや旧『ムーミン』(あまりにも原作を自由奔放に改変した事で、原作のトーベ・ヤンソンを激怒させてしまい、黒歴史化した、曰くつき傑作です)のムーミンパパの声と言ったら、ピンとくる方もいますかな?

ココでは、白土三平カムイ伝』みたいに小汚い、非人の頭のような役でガッカリではありますが(笑)、しかし、あの声が聞けるのです!

血税騒動。というのは、明治6年に政府が徴兵令を発し、男子20歳以上を兵役につかせる事としたのですが、この兵役に就く前の検査でにおける血液検査を、「全身の血が抜かれる!」というデマが伝ってしまい、かなりの暴動に発展したというものです。

本作につながる島根県会見郡の血税騒動は、まさにコレでした(他はキッカケが違ったりしてますが、何れにしても、苛烈な明治政府の政策への反対を掲げる暴動であったのは同じです)。

当時の日本人は注射器すら知らなかったんですね。

「血税」という言葉を誤解した事でパニックになったという説もあります。

しかし、こんな司馬遼太郎の小説にも出てきそうもない、マニアックな歴史的な事件が絡んでいるというのが、尋常ではございません(笑)。

なぜ、教員一家はなぜ、殺されなければならなかったのか?

ココがこの話しの核心部分です。

徴兵令では、代人料270円を支払えば、兵役免除という規定がありました。

コレを徴兵逃れをしようとする3人(塚本儀四郎、竹村伴蔵、正景徳市)と女1人(北浜おこの)は悪用して、「カネを払ったら、徴兵されずに済む!」と村人たちからカネをかき集めて、トンズラしたんですね。

 

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コレが一家殺害をした4人!タランティーノが好きそうなアングル!


外部から来た教員は、当然、徴兵令がどういうものか知っているので邪魔だったので殺してしまったんです。

しかし、この鹿島一家で1人生き残ったのが、奥さんでした。

 

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この女性の怨みがすべての原点。

 

この奥さん事を、正景徳市が気に入って、強引に妻にしてしまいました。

この正景を油断した隙に殺害した事で教員の奥さんは逮捕、投獄されでしまいます。

この監獄で生まれとたという、異様な生い立ちの主人公なのです。

しかも、父親は不明です(詳しくは本編をご覧ください)。

雪は残る、塚本儀四郎、竹村伴蔵、北浜おこのへの復讐の為に、お産の後に死んでしまった母親の代わりに、同部屋の女性が出所して西村晃演じる和尚に預けたんです。

この和尚はなぜか剣豪で(笑)、雪を星飛雄馬をしごくが如くスパルタ教育で剣術を叩き込みます。

 

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  真剣は星一徹でも出てきませんぞ(笑)!



今だったら、ほぼアウトな表現のオンパレードで、もうクラクラきます。自由だなあ、昭和(笑)。

こうして、戦闘マシーンと化した梶芽衣子の復讐劇が開始しますが、ココが最高なので一切書きません(笑)!

 

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とにかく凄絶!血の量が尋常じゃないす!!

 

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アラッ、黒沢年男。なぜ出てくるのかは教えません。


この梶芽衣子のキャラクターは、明らかに『キル・ビル』に影響を与えたのがよくわかりますね。

 

とにかく、独特の美学に貫かれた見事な作品でした。

 

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キル・ビル vol.1』は『修羅雪』へのオマージュですね。

 

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梶芽衣子という女優なくして本作はなかったでしょう。