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上田馬之助も出演している、パンク映画の金字塔!

石井聰互『爆裂都市』

 

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  ロッカーズルースターズの懇請バンド

 

AKIRA』、『マッドマックス2』と言った映画とともに語られるべき、パンクなヴァイオレンス映画の金字塔。

ザラついた白黒映像を多用し、敢えて全体像を見せず、揺れる手持ちカメラでひたすら超どアップ映像のモンタージュを見せる斬新なオープニング。

とにかく、圧倒的なパワーに満ち満ちた映像のオンパレードですが、『マッドマックス』シリーズや、『ブレードランナー』、『AKIRA』と言った、1980年代に次々と出現した、荒廃しきったディストピアを描いた作品の1つではありますが、ここまで、ロックの生々しいパワーを持ち込んだ作品はないですね。

今ではスッカリいい人になってしまった泉谷しげるが企画段階から協力してるのも面白いですね(のし上がっていくヤクザを演じてます)。

 

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 若い!!!!!!!!!!

 

ルースターズスターリンと言った、現役のロックバンドのメンバーをそのままキャスティングしてしまう、石井聰互(現在は改名して石井岳龍です )の大胆不敵さ。

それに応えるようにギラギラとしたエネルギーが、エキストラすら放っているという凄み!

架空の街の荒廃感は恐らくは戦後直後の闇市のイメージでしょう。

この街を支配している菊川ファミリー(ボスがなぜか上田馬之助・笑)。

このファミリーが、原子力発電所の建設事業を引き受ける事によって、完全に街を支配下に置こうという野望(今見ると、異様なほど生々しい利権の構図です)、一方で陣内孝則す率いるロックバンド「バトル・ロッカーズ」(暴走族グループでもあります)の敵対バンドや警察との抗争、バイクで琺瑯する狂人の兄弟(?)が並行して描かれます。

 

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弟は町田町蔵。現在は小説家です。

 

ライブ会場にロックバンド(これがスターリンです)が乱入して演奏を妨害したり、ここに治安を守る警察が絡んできてますますややこしくなったり。

スターリンのリーダーである遠藤ミチロウが、今では、原発事故の起こった福島のために活動しているのですから、隔世の感があります。

 

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陣内孝則

 

ここでは、観客に向かって放尿したり、豚の頭を投げ込んでしてますが(笑)。

作品中電音楽的に1番インパクトあるのは、スターリンです。

 

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映画の場面ではありませんが、遠藤ミチロウです。パンクをこれほど体現しているのは、あとはイギー・ポップだけでしょう。

 

今見ても唖然とするすごさです。

陣内の混成バンドは、意外と正統的なロックンロールですね。

原子力発電所の労働力を確保するために、都市の下層民の人々を動員して、着々と工事を進め、彼らを騙して完全に隔離してしまい、貧民街を破壊してしまいます。

 

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すごい絵。。

 

しかし、ここで狂人の兄弟が暴れ回り、思い通りコントロールできません(笑)。

 

ヤクザと下層民の殴り合いのすごいことすごいこと!

上田馬之助も揉みくちゃですよ(笑)。

コレと同時進行で行われる陣内混成バンドとスターリンが野外でライヴ合戦している所に機動隊が乱入してこれまた揉みくちゃ(笑)。

 

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この謎の重武装の警察はなんなのだ。ジョン・カーペンター感が満点(笑)。

 

園子温Tokyo Tribe』は本作の系統の作品ですが、音楽(ここでは、パンクですが)への監督の理解度/共感度は、石井聰互の方が圧倒的に上です。

本作は、映像がパンクになってますが、園作品は、ヒップホップが映像としてほとんど血肉化できてません。

様々なベクトルが一切混じり合うことなく、それぞれに爆発しまくるのみという、まことにアナーキーな作品です。

もう、30年以上昔の作品で大変な低予算作品ですが、そのパワーが全く目減りしてないのが驚異としか言いようがないです。

とにかく、圧倒されまくりました。

 

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だんだん千原ジュニアになっていく陣内孝則