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ザルドスとヘウォンの共通点。

ホン・サンス『ヘウォンの恋愛日記』


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なんと、冒頭にベートーヴェン交響曲第6番「田園」の第五楽章。

意外とサントラに使われないベートーヴェンですが、それにしても、オープニングクレジットがいつも一緒というのは、もうほとんど小津安二郎ですね。

ちなみに、ジョン・ブアマン未来惑星ザルドス』にも使われる、ベートーヴェン交響曲第7番の第二楽章が、絶妙な場面で使われますので乞うご期待!

タイトルに「恋愛日記」とあるように、主人公ヘウォンの日記という体裁をとります。

冒頭が「母がカナダに移住してしまい、もう韓国には戻ってこない」というヘウォンの独言から始まる辺りからして、ものすごいです。

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ヘウォン自身もイギリス生活をしていたので、英語が堪能です。

韓国でこういう人がどれくらいいるのか全く想像できませんが、まあ、エリート層なのでしょうね。

アラッ、特に説明してませんけども、ジェーン・バーキンが出演してますね。本人として。

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ヘウォンは、大学で演技を勉強しています。

それにしても、いつも思いますけども、アレだけ巧妙に脚本を作っているにもかかわらず、役者の演技がそれにがんじがらめな印象を全く受けませんね。

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ヘウォンの恋人は、『ソニはご機嫌ななめ』の、これまたソニの元恋人役のイ・ソンギョンですね。映画監督で大学教授です。

つまり、教授は学生に手を出した。という、文章にしてしまうとなかなかろくでもない構図になっております(笑)。

教授には、奥さんも子供もいます。

しかも、ヘウォンは同じゼミ生のジェホンと現在付き合っていて、なかなかです。

これまで見てきたホン・サンスの作品では珍しく、韓国社会の経済的な格差がほのめかされます。

ヘウォンは前述したように、明らかに家族が裕福です。

が、それを話している学生と生徒とて、貧乏であるはずはないのですが。

なぜか、日記のどの日にも、同じ古本屋さんが。

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こういう繰り返しがもう名人芸になってきてますよね。

もう、ホン・サンス小津安二郎のレベルになりつつあるかもしれませんね。

居酒屋や喫茶店などでおしゃべりをするシーンが必ず出てくるところもとても小津映画っぽいです。

たまたま古本屋カフェ(?)で知り合った男がマーティン・スコシージと仕事をしているとかは、ぶっ飛んでいるというか、ギャグっぽいですが、こういう遊び心がありますね。

私個人が一番グッときたのは、年上の不倫のエピソードですね。

2度目の南漢山城を訪れるシーンです。

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ちなみに、こんな場所です。
なんと、世界遺産


ホン・サンスの映画は、恋愛が結構出てくる割にはあんまりエロくなかったのですが、ここでの場面はちょっとドキッとします。

女優さんがいいですねえ。

坂上二郎さんみたいなおじさんが、この城址で2回登場するのもツボ。

ラストはヤラレタ!!

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