史上初のドラッグムービー


ヴィクター・フレミングオズの魔法使い

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MGM黄金期、即ち、ハリウッド黄金期の映画ですが、恐らくは史上初めての主演がドラック中毒状態のまんま画面に映っているという、サイケデリック映画の映画でもあります。

ジュディ・ガーランドはダイエットさせるために、MGMが覚醒剤を注射させており、あの10代前半にしてアンフェタミン中毒者であり、画面でのハイテンションは、要するにヤクでハイになっている姿なんですねコレが。

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当時、覚醒剤は非合法ではなく、リポビタンD程度のものと認識していたようですが。。

よって、子供に見せることは個人的にはオススメしません。

イケない作品としてオトナになってから見ましょう。

悪い魔女がケシの花でドロシーを眠らせるとか、相当ギリギリです。

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この事実を暗に指摘した映画が、デイヴィッド・リンチ『ワイルド・アト・ハート』で、コレも必見の激ヤバ映画です(笑)。
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エルトン・ジョンのアルバム『Goodbye Yellow Brick Road』の着想も、この映画から得ていると思います(ちなみに、本作はゲイ・カルチャーのアイコンであり、つまり、エルトンはこの作品でゲイである事を暗にカミングアウトしてます)。

MGMのミュージカルらしく、全編全てスタジオ撮影。

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全部セットなんですね。ものすごいお金をかけてますなあ。



これを撮った後、ヴィクター・フレミングが監督したのは、歴史的な大作『風と共に去りぬ』ですよ(笑)。

コレもものすごい制作費がかかってます。

如何に当時のハリウッドに力があったのかですね。

今ではコンピュータでポストプロダクションするのを全部美術制作していて(1990年代くらいまで、実際、コレで撮ってました)、何ともキッチュ感があっていいですね。

カンザスのど田舎のシーンのザラザラとした白黒は、カッコいいです。ビル・フリゼールの音楽が合いそうで(実際はハリウッドのゴージャスなフルオケがバッチリ張り付いています)。

しかし、マンチキン・ランド(現在では倫理上絶対に撮影不可能です)のサイケデリアぶりは尋常でなく、子どもというものの残酷さをここまで十全に表現した映画はないと思います。

このサイケデリア感を見事に継承したのが、フィリップ・ド・ブロカの傑作『まぼろしの市街戦』です。

ストーリーはあまりに有名ですから、今更説明しませんが、最後にちょっとしたイタズラがあるのがこの映画の1つの見どころ。

このラストで説かれるアメリカ的なヒューマニズムは、今のアメリカで問い直されなくてはならないかもしれません。

ちなみに言うと、DVDの日本語吹き替え版のキャストは感涙モノ!


もう、たまらんですよ!!

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