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最後にドキリとさせられる破壊的コメディ

ルイ・マル地下鉄のザジ

 
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随所に遊びを散りばめた、ルイ・マルのの傑作。
 
室内でのカメラワークがいちいちものすごく凝っていて、ものすごく騒々しい。
 
コマ飛び画像やコマを抜いてサイレント映画みたいな動きになるシーンが頻繁。
 
ぶっ飛んだママがパリで遊び惚けている間、ガブリエルおじさんの所にいるが予定だったのに、メトロに乗りたい一心で、家を脱出して、乗り込もうとするけども、スト決行中のため、乗ることができない事で、パリの街を散策することとなる、ザジの珍道中。
 
セリフが逆回転になったり、ダイナマイトがマンガみたいに爆発したり、音楽が早回しになったり、今度は、画面が遅くなったり。電話が爆発したり、ザジが車を乗りわまして、またしてもダイナマイトを投げつける。
 
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磁石でおっさんを吸い寄せるザジ。
 
完全に『トムとジェリー』をそのまんま実写にしてしまったようなドタバタをひたすら見せるつけるのですが、コッチはもっと躁病的。
 
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ストーリー展開はほとんど杉浦茂のマンガ。
 
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あっ、誰もハンドル握ってない(笑)
 
何しろ、おっさんが風船でエッフェル塔のてっぺんから降りてくるのだ。
 
なぜか、ジャズギタリストのサシャ・ディステル本人がほんの少しだけ登場(ルイ・マルは、大のジャズファン)。
 
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なんで車がこんなになったのかは見ての
お楽しみ。
 
ラストには、ムッソリーニ(?)まで出てくるのである。
 
余りにも早すぎるポストモダン的な作品だが、壊れているのに美しい詩情がある。
 
ココがこの映画の並外れたところであり、愛すべきところなのです。
 
とにかく、圧倒的な作品だけども、『鬼火』以降は、凡作ばかり撮る監督になってしまったような気がする。
 
本人を撮った時のマルの年齢はわずか28歳。恐るべし。余りにも早熟でした。
 
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ちなみに、コレがサシャ・ディステル。
ギターだけでなく、ヒット曲もあって、女性にモテモテの大スターでした。
 
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いいデザインだよなあ。