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増村保造の出発点でもある溝口健二の遺作。

溝口健二『赤線地帯』

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美術水谷浩、撮影宮川一夫、音楽黛敏郎

惚れ惚れするようなスタッフザマス。。

オープニングの音楽がなかなかぶっ飛んでますなあ。

助監督には、我らが増村保造

溝口健二は、アレレ?という映画も結構あるんですけども、すごい作品は桁外れな人ですね。

日本映画界のその後の凋落を知らずに亡くなったのは、この人にとっては幸せだったかもしれないですね。

売春禁止法が成立する直前の赤線を描いた作品(タイトルまんまの説明・笑)ですが、いやはや、とにかく、べらぼうに場面場面がうまいことうまいこと。

キャメラのアングル、ちょっとした役者たちの顔の表情から何気ない仕草まで、ホントに溝口の演出がいきわたっていて、もう唖然としますね。

それでいて、見ている側には、そのモーレツな溝口のこだわりは、鬱陶しくない。

それは、やっぱり、画面にリズムがあるからですね。

キャメラが切り替わる時のタイミングがうまいんですね。

コレが遺作だなんて、信じれないなあ。

あややが赤線の男を手玉にとる売春婦役で出演してますが、まだ若いですね。

京マチ子が演じるビッチが最高に素晴らしいですね。

少し、極妻の頃のかたせ梨乃に似てますよ。

「八頭身や」のセリフにはギャフンものでございます(笑)。

特に主役はなく、群集劇なのも、溝口作品としては珍しいですね。

登場人物を絞り込んで、役者をいじめ抜いて撮影するのを得意技とする監督だと思いますけども、こういう活劇も撮れる人なんですね。

コレをもっとアップテンポでドライにすると、増村保造の映画になるのではないでしょうか。

そういう意味では、増村保造は、この映画からの直系の後継者なのでしょう。

新藤兼人のような、ホントに溝口健二の側で仕事をして心酔しきっている方もいますが、新藤兼人の持ち味は溝口とは違います。

最後がブツリ。と終わるのが、なかなかコワイ。

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