ゴダールは、突然、「ジガ・ヴェルドフ集団」を結成し、一連の低予算映画を作りましたが、これはその中の一作。
ストーリーは特になく、マカロニウェスタンの有名な悪役や、映画監督のクラウベル・ローシャなんかが画面に映ってますが、彼ら彼女らである必要は特にないです。
ひたすら、ゴダール的としか言いようのない、絶妙な画面編集と、ずっとあたかも本当っぽい左翼のアジテーションが延々と続く、普通に見れば異様としか言いようがない作品であり、ほとんどの人は呆気にとられてしまうでしょう。
しかし、ゴダールは左翼運動家だからこんな事をやっているのでしょうか?
私はそのようには思えなかったです。
彼が糾弾しているというか、怒っているのは、政治じゃなくて、映像が持っている暴力を批判したいんじゃないでしょうかね。
しかも、こういう事をやっているのに、チャンと眠くなってくる。という、ゴダール映画のすごさですよ。