西部劇の終焉。

ジョン・スタージェス『The Magnificent Seven』 白浪七人男、揃い踏み! 『荒野の七人』という邦題はちょっと今ひとつだなあ。 『誇り高き七人』という直訳で充分カッコよくないですか? スタージェス、マクイン、バーンスタインという鉄壁の3人によるアメ…

青春群像の王道を描いてます。

F.ギャリー・グレイ『Straight Outta Compton』 「ギャングスタ・ラップ」というスタイルとその人気を全国区に広げた伝説的なヒップホップグループ「N.W.A」を描いた、ハードコアな青春群像。 N.W.Aのメンバー。 アイス・キューブ、Dr.ドレー、イージーEと言…

「何が始まるのですか?」「第三次世界大戦だ」

マーク・L・レスター『コマンドー』 こんなに丸太が似合う役者はいない。 シュワちゃん映画の最高傑作は、だれがなんと言おうとコレなのだ! しかも、フジテレビの土曜日の『ゴールデン洋画劇場』のバージョンと決まっている。 「シュワちゃん」の名付け親は…

こんなワイダをもっと見てみたかった。

アンジェイ・ワイダ『夜の終わりに』 2016年に90歳で大往生した反骨の作家、アンジェイ・ワイダの若き日の作品。 フランスのヌーヴェルヴァーグは、世界中に多大な影響を与えましたが、かのワイダもモロに影響を受けていたんですね。 音楽はクシシュトフ・コ…

素直にストレート投げたら見事なストライクでした。

ライアン・クーグラー『クリード』 アポロの隠し子で、やんちゃすぎて更生施設に入れられていました。 まさかのスピンオフ作品。 アポロの息子、アドニスがプロボクサーになり、とっくにボクシング界から引退しているロッキーがコレを育てるという話しです。…

撮影、大変だったでしょうね。。

アレハンドロ・ゴンサーレス・イニャリトゥ『レヴェナント』 昭和っぽいポスターがナイスです(笑)。 ビーバーの毛皮を獲っていた男たちがネイティヴ・アメリカンの部族のアリカラ族たちに襲撃を受けて大半が死にました。 ビーバーの毛皮を狙われたんですね…

天才の狂気!

ジャック・タチ『プレイタイム』 なななななななな(笑)。 画面の情報量の多さが尋常でない(笑)!! ロバート・アルトマンの映画の登場人物がものすごく多いとか、もうそういうレベルではなくて、1つのショットに必ず全然違うベクトルに動いている人たち…

とてもユニークなドキュメンタリー大作でした。

小川紳介『ニッポン国古屋敷村』 なかなかソフト化されることのなかった小川プロダクションが数多く制作してきたドキュメンタリーが、現在、続々とDVDとなって、ようやく本作を見る事が出来ました。 養蚕、炭焼き、米作りなどを生業とする山形県の山村、古屋…

うまい。うますぎる。

クリント・イーストウッド『サリー』 機長と副機長。トム・ハンクスは、なぜか事故とかトラブルに巻き込まれる役が多いですね。 邦題『ハドソン川の奇跡』は、内容を誤って伝えていると思うので、原題『Sully』(主人公のサレンバーガー機長の事です)をその…

うまいなあ、これも。

エリック・ロメール『モード家の一夜』 「6つの教訓話」の第3話。 タイトルに「一夜」とありますが、一夜のお話ではないです(笑)。 その一夜が重要ではあるんですが。 タイヤ会社に勤めるジャン=ルイ・トランティニャン。 久しぶりに哲学を大学で教えて…

三島由紀夫原作!

三隅研次『剣』 KEN !!!!! 「剣三部作」の第二作目。 なんと、原作は三島由紀夫! 本作は現代で、白黒映画になります。 舞台は東大を模した東和大学。 「太陽の本質」を知ってしまった市川雷蔵は、剣道部の主将です。 私は、雷蔵は現代劇の方が素晴らしいと…

『仁義なき戦い』の原型。

ジッロ・ポンテコルヴォ『アルジェの戦い』 ヴェネツィア国際映画祭でフランスの映画関係者のフランソワ・トリュフォーを除いた全員が激怒して退席したという、伝説の映画。 これが映画館で上映されるのは一体何年ぶりなのかわからないくらいですが、ようや…

苦い。

マイケル・チミノ『ディア・ハンター』 ヴェトナム戦争もの。というのは、一つのジャンルをなしているが(『タクシー・ドライバー』や『ランボー』、(ナッシュビル』も含めていいと思う)、その中でも、『地獄の黙示録』や『フルメタル・ジャケット』(の前…

修羅雪、警察と戦う!

藤田敏八『修羅雪姫 怨み恋歌』 なんと、続編が作られたんですね。 冒頭の移動撮影によるワンショットで撮られたアクションシーンからしてもうすごいですね。 とにかく、藤田演出はアイデアが独創的です。 単なるヴァイオレンス映画にはなりませんね。 日露…

三隅美学が炸裂!

三隅研次『斬る』 冒頭からいきなりアクション! 市川雷蔵の「剣三部作」の第1作目。 いきなり女性同士のアクションから始まって、あっという話に20年以上年月が経ってしまう、べらぼうなまでにサクッと進んでしまう、手際がよいを通り越した割りきりぶりが…

パリとリゾート地を行ったり来たり。

エリック・ロメール『緑の光線』 傑作揃いの「喜劇と格言」の第5作目。 (恐らく1984年の)7月2日月曜日から8月4日土曜日までを描くドラマ。 この映画のこの日付の入れ方は、モロにホン・サンスがパクってますよね。 タイトルの緑の光線というのは、ジュール…

白浪十三人男の勇姿!!

ロバート・オルドリッチ『ザ・ダーティ・ダズン』 リー・マーヴィン! 邦題『特攻大作戦』も悪くないんですけども、原題がいいですなあ。 もともと、「ダーティ・ダズン」というのは、仲間同士で使う罵り言葉でして、例えば、アフリカ系のやんちゃな連中が仲…

コレがなければ、あの『キル・ビル』はなかった!

藤田敏八『修羅雪姫』 明治6年に起こった「血税騒動」(後述)の混乱時に殺害された新任の小学教員一家殺害へのかなり複雑な復讐譚。原作は小池一夫、上村一夫によるマンガです。梶芽衣子演じる刺客、修羅雪。時代劇というよりも、マカロニ・ウェスタンを思…

見たら絶対にクセになります!クー。

ゲオルギィ・ダネリヤ『キン・ザ・ザ!』 ヴラディーミルとゲダバン。 正式な邦題は、『不思議惑星キン・ザ・ザ』なんですけども、実際に見たインパクトは、原題をそのまま音写した方が説得力があると思います。 まあ、「キン・ザ・ザ!」ではなんのこっちゃ…

全身全霊をかけて作られた大傑作!

ジャック・ドゥミ『ロシュフォールの恋人たち』 またしても、ドゥミ=ルグラン=ドヌーヴで作られた作品で、ジョージ・チャキリス、フランソワーズ・ドルレアック、ミシェル・ピコリ、ジャック・ペランと、一挙にキャスティングが豪華絢爛になった、ミュージ…

上田馬之助も出演している、パンク映画の金字塔!

石井聰互『爆裂都市』 ロッカーズとルースターズの混成バンド 『AKIRA』、『マッドマックス2』と言った映画とともに語られるべき、パンクなヴァイオレンス映画の金字塔。 ザラついた白黒映像を多用し、敢えて全体像を見せず、揺れる手持ちカメラでひたすら…

今見てもビックリな手法で撮られた映画です。

ジャック・ドゥミ『シェルブールの雨傘』 美しいオープニング! 1957年11月から始まり、1963年12月からまでの物語で、全編セリフが歌(歌は全員プロの歌手に吹き替えです)という異色の映画。 シェルブールはフランスの軍港でして、ココから、アルジェリア戦…

増村保造との違いを思い浮かべながら見ました。

ジョーゼフ・ロウジー『エヴァの匂い』 赤狩りで本国を追われ、ジプシー監督となったロウジーが放った、鋼鉄製のヌーヴェル・ヴァーグ。 フランス人よりももっと乾いていて冷徹ですね。こわいです。 書いた小説が映画化されて一挙に金持ちになった作家のタイ…

ハリウッド最後の大作ミュージカル。

ロバート・ワイズ『サウンド・オブ・ミュージック』 実は見ていなかったシリーズ(何回めでしたっけ)。 正直申し上げると、ミュージカルは苦手です(笑)。 理由はゾワゾワするから。 キレイな衣装を着て、バッチリメイクして、そんなに両手を広げて高らか…

脚本が素晴らしい!

ジョン・ワッツ『コップカー』 なんとも冴えないタイトルですが、コレが面白かったなあ。 男の子2人のアホさ。 太古の昔より、男の子はアホだなあ(笑)。 見つけちゃった。 たまたま見つけてしまったパトカー(アメリカではコップカーというのね)。 ドアは…

ウルトラヴァイオレンスの次は本格的な文芸大作!

スタンリー・キューブリック『バリー リンドン』 レドモント・バリーの初恋 ウィリアム・サッカリーの同名小説を映画化した大作。 当時の評判はアンマリ芳しくなかったみたいですね。 多分、もっと冒険活劇みたいなものが期待されていたんでしょうけども、そ…

私は謎なのだ。→中二病だと思う。

ルキーノ・ヴィスコンティ『ルートヴィヒ』 ヴィスコンティが編集作業中に倒れ、半身麻痺となり車椅子に乗りながも制作された、約4時間の執念の大作。 残念な事に、生前はヴィスコンティの望む形での公開はできなかったらしく、180分、果ては、140分バージ…

全然作風が違うんで驚きました。

エリック・ロメール『獅子座』 ロメールの長編第1作。 日本での商業公開は1990年。 日仏学院がフィルムを所有していて、時折公開していたようです。 にしても、幻に近い作品であったのは間違いありません。 他のヌーヴェル・ヴァーグ作品のように商業的に成…

逃避行映画の原点!

ニコラス・レイ『夜の人々』 ニコラス・レイ衝撃の初監督作品。 一般的には、『理由なき反抗』や『大砂塵』で知られてますけども、彼の真骨頂はそれ以前の作品にあります。 ですので、日本では彼の真価がなかなか伝わらず、一部の映画ファンの間にしか評価さ…

私がスパルタクスだ!

スタンリー・キューブリック『スパルタカス』 鉱山で剣闘士として買われるスパルタクス。 タイトルの通り、ローマ共和政末期に起こった、スパルタカスの反乱の顛末を描いた3時間を超える大作。 コレでキューブリックの世界的な名声が確立したんですが、キュ…

見事な2時間でした。

ジョージュ・ミラー『MADMAX 怒りのデスロード』 素晴らしいクルマのデザイン! ブルーレイにて再見。トレーラーが砦から逃げ出し、そして、結局、その砦に戻っていく。 マックス以外の主要キャラ。 ただ、それだけの事しか描いていないんですが、この間に、…

耳なし芳一だけでも必見!

小林正樹『怪談』 オープニングがものすごくカッコいい! これまた、美術戸田重昌、音楽武満徹と組んだ、3時間を超える大作。 音楽というのか、音響効果がすごいです。 立身出世のために棄てられた女性。 今聴いても驚きますね。 日本における「音響派」と呼…

人生は祭りだ。

フェデリコ・フェリーニ『81/2』 もう一体どんだけの回数見たかわからないくらいに見ましたね。 多分、今まで見た映画の中で最も好きなのが、コレかもしれません。 劇場のフィルム上映で見たもので1番よかったのは、『2001年宇宙の旅』で、もう、コレは絶対…

エロを生涯にわたって追求した人ですね。

エリック・ロメール『クレールの膝』 1番最初の連作「六つの教訓話」の第5作目。 それにしても、ロメールはぜんぜん作風が変わらないですね。 本作は若い頃の作品ですが、ホントに変わらないです。 とにかく、男と女のおしゃべり、おしゃべり、おしゃべり。 …

邦題が素晴らしいよね。

ジョーセフ・ロウジー 『唇からナイフ』 とても引き締まった映画を撮るロウジーが、こんな鈴木清順の日活時代みたいな映画を撮っていたのは、まことに驚きです。 最近独立したマサラ国は産油国ですが、政情が不安定です。 イギリス政府は、マサラ国からの石…

うまい!

エリック・ロメール『冬物語』 四季を描いた四部作(ロメールは、こういう連作形式で描くのが得意です)の第二作目。 いやー、「夏の日の思い出」には勝てっこないですよ、そりゃ。というお話しです(笑)。 それじゃあ身もフタもないんで、もう少し説明しま…

I'm in Heaven

マーク・サンドリッチ『トップハット』 RKOで制作された、いわゆる「アステア&ロジャース映画」に於ける最高傑作。 全編がアーヴィング・バーリンの作詞作曲で、マックス・スタイナーが音楽監督です。 1935年という不穏な時代にも関わらず、アステアはそんな…

しびれる!

深作欣二『仁義なき戦い』 戦後の広島の呉を舞台とする、今や伝説となったシリーズの第1作。 深作欣二は当初、シリーズ化するつもりはなかったらしく、大ヒットしている最中に東映の社長の一声でシリーズ化が決定したらしいです。 いかにも東映っぽい(笑)…

怒り!

小林正樹『切腹』 彦根藩初代藩主井伊直政の甲冑! 脚本橋本忍、撮影宮島義勇、音楽武満徹、美術戸田重昌。というなんとも贅沢な布陣で製作された小林正樹の代表作。 タイトルがタイトルだけに、佐野周二や笠智衆など一切出てこず、メインキャストが俳優座な…

『カメレオンマン』と対をなす名作。

ウディ・アレン『カイロの紫のバラ』 ウディ・アレン作品の中でも屈指の名作。 世界恐慌後のアメリカを描いた『カメレオンマン』『ラジオデイズ』は、いずれも素晴らしいですが、コレが1番素晴らしいかもしれません。 個人的には『カメレオンマン』を偏愛し…

荘厳な民衆賛歌

パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ『サン・ロレンツォの夜』 この少女が見た戦争の回想です。 イタリアへの連合軍の上陸、すなわち、第二次大戦の末期のムッソリーニ政権の断末魔時代を扱った名作は結構多いです。 パゾリーニの遺作『ソドムの市』は、サド…

現在のスタイルを確立する前夜。

ホン・サンス『ハハハ』 カナダに移住する映画監督チョ・ムンギョンとその先輩チュンシク(軽くうつ病で大学教授です)が、韓国の郊外にある、清渓山(チョンゲサン)で別れの宴会を開きながら、それぞれが徒然となく回想するという、ホン・サンスとしてはち…

ホントの事を言うためにウソをつく。

ウディ・アレン『カメレオンマン』 ちょっとヒネリ過ぎた邦題が微妙ですが、ウディ・アレンの悪意のエンターテイナーぶりが十全に発揮された、個人的にはウディのベスト3に間違いなく入る、大傑作。 TSUTAYAでは置いてたり置いてなかったりしますが、なんて…

ホンモノのデカダンスです。

ルキーノ・ヴィスコンティ『ヴェニスに死す』 高校から大学にかけて一番好きだった映画監督は、ヴィスコンティでした(笑)。 グスタフ・マーラーが好きだったこともあり、もう、飛びつきましたよ、レンタルビデオに(笑)! もう、何度も何度も見ましたなあ…

ロメールが『あまちゃん』を描いたら、こうなります。違うか。

エリック・ロメール 『海辺のポーリーヌ』 実は、ロメール、見た事がなくて(笑)。 ポーリーヌは、従姉のマリオンと一緒にモン・サン=ミシェル近くの避暑地の別荘で夏を過ごすことになりました。 お年頃のポーリーヌ。やっぱり男の子の事を考えがちです。 …

市川崑の隠れ傑作!

市川崑『ぼんち』 大阪の船場で5代続いた足袋問屋の没落した主の回想。というスタイルを取る、山崎豊子原作の小説の映画化。 船場の文化の絢爛さは、谷崎潤一郎『細雪』にふんだんに書いてますが、もう、あの世界はスッカリ失われてしまいました。 後年、『…

反復と差異

ホン・サンス『教授とわたし、そして映画』 またしても映画学科でのお話し。 同じ映画学科が舞台なのに、主役が変わったり、配役が微妙に違ったりしてしまいます。 映画監督のジング、ソン教授、オッキそれぞれの視点で映画は進み、映画は、 「呪文を唱える…

早すぎた作品

清水宏『有りがたうさん』 静岡209ということは、それくらいしか県で走っている車がないんですね。 戦前、とりわけ1920年代にとてつもないペースで映画を撮っていた清水宏の代表作。 上原謙(若大将のお父さんです。若い方はご存じないでしょうね)が山道の…

全人類必見の映像!

ジェフリー・レヴィ=ヒント『ソウルパワー』 モブツ大統領は、この音楽イベントにはカネを出してないようです。 出したのは、ボクシングだけです。 結局、リベリアのお金持ちが出資してくれた事でイベントもできたし、撮影もできたようです。 ケチンボ! 映…

モハメド・アリ追悼

リオン・ギャスト『モハメド・アリ かけがえのない日々』 原題は、『When We were Kings』。私たちが王だった時。ですね。 直訳の方がカッコイイです。 すでに歴史的事実なので書きますが、ヴェトナム戦争の徴兵を拒否した事でWBAヘヴィ級チャンピオンを剥奪…