戦争映画

圧倒的に残酷な家族崩壊劇!

小津安二郎『東京暮色』 主人公の有馬稲子の飲酒、喫煙シーンが小津作品のパブリックイメージを崩します。 既に戦後の自らのスタイルを確立した小津安二郎の一連の作品だと思って見ると、心底痛い目に遭う、戦後屈指の異色作。 『風の中の雌鶏』は、戦後直後…

フォードが作ったATG映画!

ジョン・フォード『肉弾鬼中隊』 原題の方がいいと思いますが… フォードが初めて作った戦争映画が、ATG級の低予算映画であった。という事実は、今やほとんど知られていないのではないでしょうか。 上映時間も70分に満たない作品であり、登場人物もほぼ分隊の…

現在の日本の問題がすべて網羅されているのが、フォードの最終作であるという事実に驚嘆せざるを得ない。

ジョン・フォード『荒野の女たち』 アメリカ映画とは、ジョン・フォードの事なのである。コレほど多くのジャンルを作り上げた映画監督は皆無であろう。 巨人ジョン・フォードが最後に作った映画。 驚きました。 なぜならば、とんでもない傑作であり、かつ、…

なぜ、トランプ政権は出現したのか?を描く傑作伝記映画!

アダム・マケイ『Vice』 下院の実習生でしかなかったディック・チェイニーは如何にして最高権力を手に入れたのか? コレはですね、『Don’t Look Up』と合わせて見る必要があると思います。 このViceとは何なのか?と言いますと、vice-presidentの略でして、…

川島雄三の余りにも早すぎた怪作!必見!

川島雄三『グラマ島の誘惑』 噂にはすごいと聞いてましたが、ここまですごい作品だったとは。というのが、見終わった後の率直な感想です。 1959年にこんなものすごい映画を撮っていた、川島雄三には、改めて畏敬の念を持ちましたね。 皇族の将校か乗っている…

永遠の映画少年の遺作にしてまたしても問題作!

大林宣彦『海辺の映画館キネマの宝箱』 いやもう、圧倒されました。 大林宣彦は長編デビュー作『HOUSE』から常に問題作を作り続けていたんですけども、遺作までもが問題作とは! およそ、その穏やかなタイトルからは微塵も読み取れないような、躁病的な実験…

この異様なまでのエナジー!!

岡本喜八『ダイナマイトどんどん』 アメリカにロバート・アルドリッチがいるが、わが日本には岡本喜八がいる! 出だしの菅原文太たちの暴れっぷりを見てくださいよ! 胸がスッとしますよね。 これが映画ってモンです。 昭和25年。 未だGHQが日本を占領統治し…