イギリス映画

カーニー監督は「ココロのマッサージ師」である。

ジョン・カーニー『シング・ストリート』 日本での劇場公開3作目ですが、カーニーは一作も外れなく、すべてオススメですね。もうとにかく素晴らしいという他ない。 アイルランド出身でダブリンを舞台する作品でどれも低予算なのですが、青春映画としてすべ…

『シン西部戦線異状なし』と言ってよいでしょう。

ピーター・ジャクソン 『They Shall Not Glow Old』 ピーター・ジャクソンと言えば、かの『指輪物語』3部作という、空前の大作を作り上げまた監督ですが、もともとはB級ホラー映画を撮っていたニュージーランド人監督でした。 そんな彼がトールキンの世界的…

2019年の映画ベスト!

特に順位はありませんが、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』と『JOKER』が特に凄かったですね。最近見たというのもありますが。 前者は今後、ますます評価が上がっていくでしょう。単なるシーン追加ではなく、全く別の作品であり、同じシーンやセリ…

オーソン・ウェルズのシェイクスピア劇の集大成!

オーソン・ウェルズ『オーソン・ウェルズのフォルスタッフ』 愛すべき怪人、フォルスタッフ。 シェクスピアのいくつかの戯曲に出てくる、架空の巨漢の騎士、サー・ジョン・フォルスタッフを主人公とした、ウェルズの主演・監督作。 お話しの大枠としては、ヘ…

ノーザン・ソウルを知らなくても充分楽しめる青春映画の逸品!

エレイン・コンスタンティン『ノーザン・ソウル』 鬱屈したイングランドの街。 面白かった! 最高でした! ソウルへの愛に満ちた傑作!! 1970年代の、財政が慢性的に悪化して経済が停滞しまくっていたイギリスのドンヨリした感じがホントに素晴らしかった。…

スコリモフスキの青春残酷物語!

イェジー・スコリモフスキ『早春』 流浪の監督、スコリモフスキの過去の作品はまだ日本では見ることができないものが多いですが、1970年公開の本作もようやくDVD化しました。 主人公の男の子は、『ルートウィヒ』の、普墺戦争に参戦した事が原因で精神疾患に…

普通に面白かった。

デレク・ジャーマン『ヴィトゲンシュタイン』 20世紀最大の哲学書の1つであろう、『論理哲学論考』を著した哲学者、ルードウィヒ・ヴィトゲンシュタインの生涯を描いた作品。 実際のヴィトゲンシュタイン。オーストリア帝国の大富豪の生まれで、西部劇やミ…

価値観の転換期を繊細に描く

ジェイムス・アイヴォリー『眺めのいい部屋』 ジョージに興味を持ち始めるルーシー。 付き添い人のシャーロットはイギリスを代表する女優、マギー・スミス。 イギリスの文豪、フォースターの原作の映画化。 すでにかなりのキャリアを積んでいたアイヴォリー…

カズオ・イシグロがノーベル文学賞とったと思ったら、監督のアイヴォリーまでアカデミー受賞でした。

ジェイムス・アイヴォリー『日の名残り』 スティーヴンスが仕えるダーリントン卿の邸宅。 ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ(彼を日本と結びつけて考えても仕方がないと思います)原作の小説の映画化です。 「マーチャント・アイヴォリー・プロダク…

ロージー=ピンターの最高傑作!

ジョセフ・ロージー『恋』 ジョセフ・ロージーの邦題はいつも素っ気ないんですが(原題も素っ気ないんですが。。)、そのチャンピオンがコレでしょうね。 赤狩りによってアメリカで映画が撮れなくなってしまったロージーですが、イギリスは彼の性に合ってい…

2049よりも2297かも?

ジョン・ブアマン『未来惑星ザルドス』 このメタルなタイトルロゴがジワジワきます。 ショーン・コネリーはジェイムス・ボンド役をやめてからややしばらく低迷期がありましたが、恐らく、本作がコネリーの底値であったでしょう。 そして、ここからが反転攻勢…

モンティ・パイソン好きな人には超オススメ!

トニー・リチャードソン『トム・ジョーンズの華麗な冒険』 この少年の数奇な人生?を描く コレは忘れられた傑作だと思います。 アカデミー賞の作品賞、監督賞を含む4部門も受賞している割には、極端に知名度が低い作品ですね。 原作が18世紀のイギリスの小…