アメリカ映画
セルジオ・レオーネ『Once Upon A Time in America』補論 この、ただコーヒーを飲むだけのシーンがヌードルスの凄みを表現してますね。 実は、完全版を見た後に、更に20分ほどのレオーネが泣く泣くカットしたシーンを補った、ホントの完全版がある事を知りま…
セルジオ・レオーネ『Once Upon A Time In America』 現行版はレオーネ監督が最終的にオーケーしたバージョンで、なんと、3時間50分もある大作です。 ニューヨークのユダヤ人ゲットー中心としたお話しです。 セルジオ・レオーネは、『Once Upon A Time In〜…
トッド・フィリップス『JOKER』 アーサー・フレックはいかにしてジョーカーとなりしか。 「このモンスターはいかにして生まれたのか?」を作って大失敗した双璧が『スターウォーズ』1~3部と、『羊たちの沈黙』の前日譚、『レッド・ドラゴン』でしょう。 それ…
特に順位はありませんが、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』と『JOKER』が特に凄かったですね。最近見たというのもありますが。 前者は今後、ますます評価が上がっていくでしょう。単なるシーン追加ではなく、全く別の作品であり、同じシーンやセリ…
ポール・シュレイダー『魂のゆくえ』 ホアキン・フェニックスが狂気の悪役、ジョーカーを演じて話題となった『JOKER』。 DCコミックスを代表する悪役キャラクター、ジョーカー、というよりも、クリストファー・ノーラン監督による『バットマン』3部作におけ…
スパイク・リー『ブラック・クランズマン』 1979年をお話を敢えて1972年に変えて映画化しています。 『ドゥ・ザ・ライト・シング』、『マルコムX』という強烈なインパクトを与える作品を撮りながらも、その後はあまりパッとしない作品を作り続け、知らないう…
ジョン・マクノートン『ヘンリー』 「あー、なんだか疲れたなあ」 の後に、普通は「飲みに行く」とか「バッティングセンターに行く」「サウナに入る」「ジムに通う」などなどが入るわけですよね。 しかし、本作の主人公であるヘンリーさんは、「殺人」が入る…
バリー・ジェンキンス『ビール・ストリートの恋人たち』 ウィリアム・ボールドウィン(先ごろ、彼にちなんだドキュメンタリー、『私は二グロではない』が公開されました)の小説、『もしビール・ストリートが話す事ができたなら』の映画化。 前作『ムーンラ…
クエンティン・タランティーノ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 ディカプリオとブラピが冴えないハリウッド人を演じます。 面白かったですねえ。 またしても3時間近い大作ですが、今回は『デス・プルーフ』のような二部構成になっていて、…
フレデリック・ワイズマン『ニューヨーク公共図書館』 図書館は市の予算と寄付によって成り立っています。 3時間半近い大作ドキュメンタリーだが、全く飽きなかった。 内容はタイトル通りで、ニューヨーク市の公共図書館はどういうものなのかを淡々と見せる…
ピーター・ハイアムズ『カプリコン1』 火星へ向けて打ち上げられる花火られる「カプリコン1」 コレは面白かった! 70年代のアメリカ映画は私の好みにバッチリ合いますが、コレも最高でした。 本作はNASAの宇宙開発をめぐる、とんでもないヤラセ事件(実際に…
ポール・ハギス『クラッシュ』 この映画の事を全く知らないまま、テレビでの放映で見ました。 ロサンジェレスの一日の出来事を、特定の主人公なしに、かなりの登場人物が複雑に絡み合いながら、進んでいく作品で、キャスティングはなかなか豪華ですが、それ…
クレイグ・ギレスピー『アイ、トーニャ』 正直、そんなに期待して見たわけではないんですけども、コレがめちゃくちゃ面白かったですね。 ナンシー・ケリガン選手が、リレハンメル・オリンピックの直前に何者かに殴打された事件は、まあ、大々的に当時騒がれ…
ウィリアム・フリードキン『真夜中のパーティ』 ハリウッド映画で、恐らくは真正面からゲイをテーマとした最初の映画。 あの大傑作『フレンチ・コネクション』の前年に公開されたのが本作というのが驚きですねえ。 70年代のフリードキンは、まさに絶頂期と言…
クリント・イーストウッド『運び屋』 ※公開直後ですので、写真はナシです。 現在、88歳のイーストウッドが久しぶりに自作の主演に復帰して撮ったのは、90歳の麻薬の運び屋。をモデルとした作品。 イーストウッドは、昔から大学教授や写真家という、どう見て…
ウィリアム・フリードキン『恐怖の報酬 完全版』 いやー、大感激しました! 本年見た映画でコレがでベスト。 コレまで、監督の意図された形での上映はなかったので、新作とみなします。 ニトログリセリンの爆風を使って、油井で発生した火災(反政府テロの犯…
フランクリン・J・シャフナー『パピヨン』 かつて仏領ギネアは、フランス本国には囚人を送り込む、事実上の流刑地でした。 金庫破りと殺人(殺人は冤罪です)で終身刑となったパピヨン(スティーヴ・マクイーン)と贋国債作りで逮捕されたルイ・ドガ(ダステ…
チャールズ・ロートン『狩人の夜』 チャールズ・ロートン。と聞いてピンと来る方は相当に映画がお好きな方ですよね。 イギリスの名優で、晩年にスタンリー・キューブリック『スパルタカス』で、煮ても焼いても食えない元老院議員を演じていた、あの太々しい…
マイケル・ウィナー『Death Wish』 良くも悪くもチャールズ・ブロンソンを「午後ロー役者」にしてしまった怪作。 とはいえ、後年の、なんの躊躇なく拳銃をぶっ放して殺しまくる作品とは一味違う、かなり狂気じみた作品となっています。 本作は、サム・ペキン…
スティーヴン・スピルバーグ『The Post』 邦題『ペンタゴン・ペーパーズ』はちょっとミスリーディングでして、原題『The Post』、すなわち、ワシントン・ポスト紙の奮戦記とした方が、話としてはシックリ来ます。 内容の中心に、国防総省の、仏領インドシナ…
ジョナサン・デミ『フィラデルフィア』 1993年公開なんですね。もう結構昔の映画になっていますねえ。 もう古典的名作と言ってよいと思いますので、ネタバレ全開で進めていきます。 人々の偏見と戦う。というのは、アメリカ映画の一つの普遍的なテーマだと思…
スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』 リヒャルト・シュトラウス『ツァラトゥストラはこう言った』の冒頭で始まる、衝撃のオープニング! 断言しますが、この映画をDVDなどで見てもそのその感銘の1/10も伝わりません。 100インチでもまだ足りません…
ショーン・ベイカー『フロリダ・プロジェクト』 とにかくうまい。驚くほどうまいですね、この映画は。 子供たちのホントにいい絵が撮れているんですね。 ドラ猫ギャング団 ショーン・ベイカーという監督の作品はコレ以外に見たことないんですけども、相当な…
デイヴィッド・リンチ『インランド・エンパイア』 リンチの今のところの映画での最新作。 リンチの映画では最も長い、3時間におよぶ大作であるのですが、製作スタッフは最低限とし、脚本、音楽、音響効果、編集、撮影はリンチ自身が行い、制作費も自身で出…
ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファレス『Battle of Sexes』 WTAという女子テニスの協会を使ったことが、テニス協会を刺激しました。 バトル・オブ・セクシーズ。という邦題は昨年公開された『ドリーム』と同じくらいひどい! 「セクシーズ」て(笑)。…
パブロ・ラライン『ジャッキー』 実際のジャクリーン・ケネディとナタリー・ポートマン演じるジャクリーン。 ケネディ大統領の夫人であり、のちにギリシャの海運王アリストテレス・ソクラテス・オナシスと再婚したジャクリーン・ケネディから、大統領暗殺事…
ジム・ジャームッシュ『パタソン』 ニュージャーズィー州パタソン市に住んでいる、パタソン氏の1週間を描いた作品。 立川市に住んでる、立川さんみたいな感じでしょうね。 パタソンを演じているのが、アダム・「ドライヴァー」というのも、ギャグなのでしょ…
ドゥニ・ヴィルヌーヴ『メッセジ』 シャレにならないほど巨大な物体が世界各地に出現。 見ていると、初めは『アレッ、これはタルコフスキーの『サクリファイス』と『惑星ソラリス』のパクリなのかな?と思わせるところが多々ありました。 あと、明らかに『20…
ライアン・クーグラー『ブラックパンサー』 ※公開してそれほど経ってませんので、写真は少なめです! ワカンダの最新テクノロジーを駆使したスーツは、アイアンマン以上の性能を持つ。 すでに「アベンジャーズ」などの作品で登場していた、ブラックパンサー…
アーヴィング・ラパー『黒い牝牛』 原題は「勇気ある者」。そのものズバリを描いております。 日本ではほとんど忘れ去られていた映画ですね。 監督のアーヴィング・ラパーは1898年(あるいは、1902年)生まれで、本作を撮っている頃にはもう結構な年齢のベテ…