中国都市部の激変/農村部の無変化がよくわかる作品。

賈樟柯(ジャ・ジャンクー)『罪の手ざわり』 コレだけ見ると、ジョン・ウーみたいですが、そういう映画ではありません。しかし、コレが冒頭です(笑)。 原題に英語のタイトルがついてまして、コレが「A Touch of Sin」と言うのですが、多分、オーソン・ウ…

モーレツな生命力溢れる傑作。

エミール・クストリツァ『黒猫・白猫』 こういう、ひどいのにユーモラス。という表現がホントにうまい監督です。 相変わらず、冒頭から猥雑で騒がしい作風は一貫していて、画面を覆い尽くしている生命力がものすごいですね。 何度も唐突に挿入される、車を食…

もはやSF映画の古典!

リドリー・スコット『ブレードランナー ファイナルカット』 ドゴォォォォ〜ン!! 1982年に公開され、未だに世界中のクリエイターに多大な影響を与え続けているSF映画の金字塔。 2019年の11月のロサンジェレスのお話しですから、もう間もなく時代が追いつい…

2049よりも2297かも?

ジョン・ブアマン『未来惑星ザルドス』 このメタルなタイトルロゴがジワジワきます。 ショーン・コネリーはジェイムス・ボンド役をやめてからややしばらく低迷期がありましたが、恐らく、本作がコネリーの底値であったでしょう。 そして、ここからが反転攻勢…

努力賞はあげてもよいでしょう。

ドゥニ・ヴィヌーヴ『ブレードランナー2049』 ※公開したばかりですので画像は一切ございません!あしからず! まさかの『ブレードランナー』の続編。 タイトル通りの30年後のロサンジェレスを描いておりまして、前作のラストのデッカードとレイチェルの失踪…

モンティ・パイソン好きな人には超オススメ!

トニー・リチャードソン『トム・ジョーンズの華麗な冒険』 この少年の数奇な人生?を描く コレは忘れられた傑作だと思います。 アカデミー賞の作品賞、監督賞を含む4部門も受賞している割には、極端に知名度が低い作品ですね。 原作が18世紀のイギリスの小…

ある青年の成長を描く傑作。

ウァウテル・サレス・ジュニオール『モーターサイクル・ダイアリーズ』 ブエノスアイレスからカラカスまでの旅を描く。 ゲバラが生化学者である先輩のアルベルト・グラナード(後に、ハバナにサンチャゴ医学校を創設した偉人です)と一緒にバイク一台で南米…

まさに新古典主義。

ダニエル・シュミット『ヘカテ』 なんともアナクロな、1930年代の雰囲気を持った映画です。1942年、すなわち、第二次世界大戦中のスイスのベルンに始まり、そして、終わる、1980年代には誰もやっていないようなメロドラマです。 お話は、主人公の回想です。 …

黒澤明(とコッポラ)が腰抜かすと思います。

侯孝賢『黒衣の刺客』 節度使(この頃は唐朝から事実上独立してます)田季安を暗殺しようとする、隠娘。 まず第一に、まさか、侯監督がここまで黒澤明へのオマージュを丸出しにした映画を撮るとは思いませんでした。 『隠し砦の三悪人』、『七人の侍』、(以…

ベルイマンと比較して見てると面白いです。

マノエル・ド・オリベイラ『メフィストの誘い』 またしても、独特の味わいです。 オリヴェイラの作品は、ホントに誰とも似てないですね。 ジョン・マルコヴィッチ(オリヴェイラ作品に結構出演してますね)がシェイクスピア研究をしている大学教授役で、その…

『ライトスタッフ』の最後の決めては人力であった。しかもアフリカ系アメリカ人の。

セオドア・メルフィ『Hidden Figures』 「隠された存在」である、メアリー・ジャクソン、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ヴォーン(左から) ジョン・グレンによる、アメリカ初の有人宇宙飛行は、『ライトスタッフ』によって映画化されていますが、その…

今見たら、また違う見方がありそうです。

ミケランジェロ・アントニオーニ『砂丘』 今見てもカッコいいタイトル。 なんと、アントニオーニがサイケデリックの世界に。 サントラに、ピンク・フロイドやグレートフル・デッドと言った、気鋭のロックミュージシャンを起用し、学生運動とサイケデリックの…

105歳の監督が問う、ホントに根性があるということ。

マノエル・ド・オリヴェイラ『家族の灯り』 1908年生まれ。と言うことは、朝比奈隆とかヘルベルト・フォン・カラヤン、レスター・ヤングと同い年という事です! 気が遠くなる。。 登場人物が少ない映画は、別に珍しくはないですけども、こんな狭い部屋だけで…

とうとう日帝時代も単なる設定になる日がきました。

チェ・ドンフン『暗殺』 暗殺指令を受ける3人。 前作『10人の泥棒たち』に続き、チョン・ジヒョン(全智賢)を主演とする作品で、キャストも前作とかなりかぶりますね。 今回はタイトル通り、暗殺者たちの映画です。 舞台は、1930年代の日本の植民地下にあ…

愛、愛、愛!

エドガー・ライト『Baby Driver』 大感動! 音楽への、そして、SONYへの、愛、愛、愛。 別に泣かせる映画だとは思いませんが、なぜかラストが泣けました。 タイトルと宣伝を見ても、正直、アンマリ面白そうな映画ではなかったので、期待してませんでした。 …

ハリウッドを凌いでいるのではないか。

チェ・ドンフン『10人の泥棒たち』 韓国、中国のスターが勢ぞろい! 『オーシャン11 』の焼き直しなのかな?などと思ったアナタ! コレはもうオドロキの映画なのでございます。 ツタヤが「コレは絶対に面白いです!」と激推ししていたのは、間違いなかったど…

変態はとまらない!

増村保造『痴人の愛』 オープニングがカッコイイですねえ。 谷崎潤一郎原作の映画化(3度目)。 31歳の製造業に勤めるリーマンのジョージ(小沢昭一)がナオミ(大楠道代が安田道代として活躍していた頃ですね)という女に食いものにされていくお話しです。…

荒木飛呂彦もビックリな映画!

フェデ・アルバレス『ドント・ブリーズ』 ゴーストタウンにたった1人で住んでいるおっさんの家から大金を盗み出そうとする3人。 コレはよく考えられた映画だなあ! 映画の性質上、ネタバレしたら、全く面白くないので、できるだけしないようにしますけども…

韓国映画の水準の高さを証明する傑作!

キム・ホンソン『技術者たち』 キム・ウビン演じる金庫破りがとにかく見事! ジョン・ヒューストン『マルタの鷹』のように、体脂肪率が10%を楽々と切った、良質なタンパク質だけで見せてしまう映画はそうないですが(増村保造くらいでしょうね)、それがなん…

恐怖映画はサービス精神がないとね。

ヴェルナー・ヘルツォーク『ノルフェラトゥ』 F.W.ムルナウの同名タイトルの古典的名作のリメイク。 全編にわたってムルナウというか、サイレント映画へのオマージュが散りばめられていて、かなりの力作です(白黒で撮ったら、もっとよかったですね)。 クラ…

邦題に惑わされずに見てください! 傑作!!

サム・ペキンパー『Cross of Iron』 とにかく、ペキンパーを侮辱していると思えない邦題はやめてくれ! 邦題、ひどすぎ(笑)!スプラッター映画じゃないよ! さて、西ドイツ、イギリスの資本で製作された本作は、ソ連とナチスドイツの凄絶な戦いを描いた大…

ペットショップ・ボーイズは中国人民を救う?

賈樟柯(ジャ・ジャンクー)『山河ノスタルジア』 いきなりダンス! いきなりビックリです。 なんと今時スタンダードサイズで撮影してますよ。 1950年代の映画ではないですよ、コレ。 2010年代の中国です。 内戦から立ち直ったアフリカのとある国が乏しい機…

EU映画って、初めて見ましたね(しかも治療付き)

マーレン・アーデ『ありがとう、トニ・エルドマン』 仕事に追われまくる娘を案じる父。 ドイツ映画。というのは、ヴィム・ヴェンダース、ヴェルナー・ヘルツォーク辺りしか見ることはないんですけども、この映画はそういう西ドイツ時代の巨匠と並べても何ら…

小津的なテーマをヴィスコンティが撮ったら、こうなります。

ルキーノ・ヴィスコンティ『家族の肖像』 趣味で「家族の肖像」をコレクションする老教授。 とても変わった映画です。 というのも、バート・ランカスター演じる老教授のアパートメントから一切出る事がありません。 そこにやってくる、シルヴァーナ・マンガ…

スゲエわ、アントニオーニ(笑)。

ミケランジェロ・アントニオーニ『L'eclipse』 オープニングがいつもカッコいいんですよね、アントニオーニは。 邦題は誠に不愉快! 『暴力脱獄』(原題Cool Hand Luke)と並ぶ、最悪邦題と言ってよい(このタイトルのせいで、ツタヤでは、アクション映画のコ…

『地獄の黙示録』と『キングコング』をマッシュアップ!

ジョーダン・ヴォート=ロバーツ 『キングコング 髑髏島の巨神』 完全に『地獄に黙示録』(笑)。 あまりのデカさに呆然! すごい!ブラックサバス「パラノイド」が爆音でかかる中を髑髏島をヘリで爆撃(一応、地質調査してるのですが・笑)! 面倒な前フリ…

『ツインピークス』の要素はここにすでに出来上がっていました。

デイヴィッド・リンチ『ブルーベルベット』 オープニング。青いカーテンを赤くしたら、ブラック・ロッジですよね。 コレはホントに何度見たのかわからないほど見ましたね。 リンチの作品で一番好きな映画は何ですか?と言われるとやっぱりコレです。 彼の作…

アントニオーニ作品としては、見やすいですよ。

ミケランジェロ・アントニオーニ『夜』 白黒で無機的には映し出される高層ビル群が不穏で美しい。 末期ガンの友人のお見舞いにいく、マルチェロ・マストロヤンニのジャンヌ・モロー(結局、友人は亡くなってしまいます)。 マストロヤンニは白黒がホントに似…

今見ると、SF映画のようにも見える傑作。

ミケランジェロ・アントニオーニ『赤い砂漠』 不気味なオープニング。 オープニングが醸し出すコワサが尋常ではありません。 SF作品ではないと思いますが、映像からビンビン伝わるディストピア感がものすごいものがありますね。 ホテルの廊下もアントニオー…

ゴダールはストーンズに興味ないです(笑)。

ジャン=リュック・ゴダール『ワン+ワン』 みんな若いですね。 一見、ローリング・ストーンズの名作アルバム、『べガース・バンクェット』のメイキング映画見たいな体裁ですけども、ゴダールはローリング・ストーンズにも興味なさそうというか、ロックのこ…